現地レポート
3D設計推進者が見た「SOLIDWORKS World 2017」(2/3 ページ)
子どもたちの未来、仲間たち――。そして破壊!?
翌日のジェネラルセッションでは、「教育」と「コミュニティー」にフォーカスした内容となりました。特に米国で進んでいるモノづくり教育については、3D設計推進者として非常に興味深いテーマでもありました。
米国では、一貫したモノづくり教育が行われていること、未来のエンジニア教育が行われていること、そして、そうした中から多くの女性エンジニアが創出されるであろうことが、紹介されました。教育機関での3D CAD(モデリング)教育、加工機を用いた実際の加工および組み立てといった教育がしっかりと行われており、日本よりも先に進んでいることがよく分かりました。
また、学生よりももっと前の段階、4~5歳くらいの子どものときから3Dに触れる機会を作るために、「SOLIDWORKS Apps for Kids」(開発中)を紹介。これらは前回のSWW2016で初披露されたアプリで、作成した3Dモデルを物理的に造形するだけでなく、“ゲームのキャラクターとして遊ぶ”という要素を新たに組み込んでいました。未来のエンジニア、次世代のSOLIDWORKSユーザーを育てる取り組みもしっかりと進めていることをアピールしていました。
こうしたアプリをきっかけに、小さな子どもたちが遊びながら、楽しみながら3Dデータを作るようになり、小学校、中学校、高校と成長とともに専門的な技術を学んでいき、そうした子どもたち、学生らが社会に広がり、世界各地のファブラボが形成されていく様子は、まさに3Dのコミュニティーそのものです。日本でも単純に「3D CAD=設計の道具」だと結び付けずに、米国での事例のように3D CAD(3Dモデリング)が教育の中にも生かされていくことを望みます。
また講演では、SOLIDWORKSの認定技術者の総数「22万2000」という数字が示されました。これは学生向けの認定試験「CSWA(Certified SOLIDWORKS Associate)」から、社会人向け「CSWP(Certified SOLIDWORKS Professional)」「CSWE(Certified SOLIDWORKS Expert)」全てを含む認定資格者の数です。
筆者は最上級のCSWEを取得していますが、今や設計者のスキルにおいて3D CADを操作できることも重要なスキルだと筆者は考えます。この認定資格者もSOLIDWORKSを支えるコミュニティーの1つですが、SWW2017では「SWUGN(SOLIDWORKS User Group Network)」といわれるユーザー会の取り組みについての紹介もありました。SWWでは毎年、全米各地、世界各国にあるこのユーザー会に所属するユーザーグループの中から、ベストユーザーグループが表彰されます。筆者もこのユーザーグループの中で唯一の日本のグループである「SOLIDWORKS User Group of NAGANO」に所属しています。
そして締めくくりは、ロボットバトル「Robo Rumble」! もちろん教育に結び付くもので、学生も参加するロボコンなのですが、その内容が過激なのです。SWW2017のジェネラルセッションステージの横にRobo Rumbleの特設ステージが設けられ、そこでバトルが行われたのですが、文字通りのぶつかり合いで火花や破壊された部品が周囲に飛び散ります。「教育」と「コミュニティー」という非常におとなしいテーマのDay2かと思いきや、最後はとてもエキサイティングな気持ちにさせてくれました。
イノベーション、夢をかなえる力とは?
最終(Day3)のジェネラルセッションでは、先進的なSOLIDWORKSユーザー事例として、Freight Farmsが手掛ける「The Leafy Green Machine」が紹介されました。これは、輸送用コンテナをアップサイクルした植物工場で、新しい農業の在り方を提案するものです。設計からエンジニアリングプロセス全体に至るまで、SOLIDWORKSが用いられているとのことでした。
彼らの取り組みは、「地球環境」「エコ」「サステナビリティ(持続可能性)」「3D CAD」「3Dプリンタ」「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」を結び付ける新しい農業のスタイルを具現化したもので、イノベーションを感じることのできる事例でした。日本でも「植物工場」が一時脚光を浴びましたが、そのような大規模なものではなく、コンテナサイズの小規模なものであるという点に新しさを感じました。
さら、民間女性で初めて宇宙旅行をした実業家/エンジニアのアニーシャ・アンサリ氏がキーノートスピーチに登壇。「いつか宇宙に行きたい!」という夢を持ち続け、その諦めない気持ちで夢を実現した彼女のサクセスストーリーには大変勇気付けられましたし、テクノロジーに終わりはない! という強い思いを感じることができました。製品設計におけるイノベーション創出、そして筆者が取り組む3D設計の推進にも諦めない気持ち、強い思いが必要ですね!!
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設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。 ◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[3D CAD][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
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