沖縄モノづくり新時代(4)
3Dゲーム開発の第一人者が地方都市「沖縄」で今考えていること(1/3 ページ)
エンジニアリングやモノづくり分野の技術進化が、今まで以上に地方の課題解決や魅力発掘の後押しとなる。本連載の主役は、かつて“製造業不毛の地”といわれていた沖縄。第4回では、日本の3Dゲーム開発の第一人者で、現在沖縄に拠点を構える武田政樹氏に焦点を当てる。長年ゲーム開発に携わってきた同氏が、なぜ沖縄観光に興味を持ったのか?
「沖縄モノづくり新時代」と題した本連載ではこれまで、企業や団体の取り組みを中心に紹介してきた。
連載第4回は少し趣を変えて、沖縄で活躍する“キーパーソン”に焦点を当てたい。今回紹介するのは、日本の3Dゲーム開発の第一人者、武田政樹氏である(図1)。
同氏は、東京大学 工学部を卒業後、ナムコ(現在のバンダイナムコ)に入社し、3Dポリゴンを採用した日本初のレースゲーム「ウイニングラン」や、3Dレースゲームの定番「リッジレーサー」など、一貫して3Dゲームのシステム開発やプロデュースに携わってきた。その後、インタラクティブブレインズを2001年に創業。ナムコの名作ゲームの携帯アプリへの移植や、3Dアバターシステムの設計/開発などを手掛けた。
2011年にインタラクティブラボラトリー沖縄を創業し、2012年には沖縄に住居を移した。現在は、AR(Augmented Reality:拡張現実)やIoTのシステム開発、3Dプリンタの活用支援など、さまざまな先端技術を沖縄に広げる取り組みを進めている。
「最新技術の観光業への応用が第2のライフワーク」と語る武田氏。3Dゲーム開発に長年携わってきた同氏が沖縄観光に興味を持った理由とは? 日本の地方都市である沖縄が目指すべき姿とは? インタビュー形式で紹介しよう。
実は似ている「ゲーム開発」と「観光業」
筆者 これまで東京で取り組まれてきた3Dゲーム関連の事業と、沖縄での事業内容が懸け離れているように感じます。なぜ、「沖縄観光」に興味を持ったのでしょうか?
武田氏 もともとナムコという会社で3Dグラフィックスを使ったゲーム開発に長年携わってきましたが、「エンターテインメント」という観点でゲームと観光はとても似ています。沖縄では、ゲーム開発のノウハウを観光業に生かし、広い意味でのエンターテインメントに挑戦したいと考えています。
アーケードゲームを例に挙げましょう。ゲーム機にお金を入れて短い時間でぱっとお客さんを引き付けなければすぐに飽きられてしまいますし、細やかな演出や作り込みをいいかげんにしてしまうと、すぐにつまらないゲームになってしまいます。「接待」とでもいうべきか、お客さんの感情に向き合いながら開発を進めることが非常に重要です。これは沖縄の観光でも全く同じことがいえます。
沖縄の青い空と青い海を見て、多くの人は「おぉ」と一瞬にして引き付けられます。ただ、それだけでは十分ではなく、観光施設や地元の人の「演出」があって“1つの旅行”が形作られていくのです。そのように考えると、ゲームと観光は成り立ちが非常によく似ています。
沖縄には素晴らしい観光資源が多くあります。ゲーム開発に長年携わり、さぁ次に何をしようかと考えたとき、「ゲームの枠をさらに広げて、多くの人に楽しんでもらうことに挑戦したい」と思いました。このような私の思いとぴったり合ったのが、沖縄だったのです。
2011年にインタラクティブラボラトリー沖縄を創業しましたが、1年間は東京を拠点に遠隔で活動していました。そして2012年、事業に本腰を入れるために住居を沖縄へ移しました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
沖縄モノづくり新時代
エンジニアリングやモノづくり分野の技術進化が、今まで以上に地方の課題解決や魅力発掘の後押しとなる。本連載の主役は、かつて“製造業不毛の地”といわれていた沖縄だ。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] AIで脱炭素計画を最適化、初年度からエネルギーコストとCO2を削減する方法 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:フィジカルAIが生み出す新たな「設計思想」――電子版2026年8月号
-
2
半導体装置メーカー 業績まとめ【2027年3月期第1四半期】
-
3
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part4)
-
4
一時は時価総額トヨタ超え キオクシア2026年度の動向
-
5
微細配線間の絶縁劣化をどう捉える? 先端パッケージ評価の最前線
-
6
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part1)
-
7
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:2026年上半期の半導体業界を振り返る――電子版2026年7月号
-
8
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part3)
-
9
CADツールの見直しは本当に必要? 切り替えの理由と効果を7つの質問で検証
-
10
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part2)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー