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» 2017年08月25日 09時00分 UPDATE

商用3D CAD製品カタログ 2017年版:DWGの2次元図面資産を有効活用し、無理なく3次元移行できる「Inventor」

製造業向けにオートデスクが提供するミッドレンジ3D CAD「Autodesk Inventor」は、他の商用3D CAD製品と比較して後発に分類されるが、DWGや他社CADデータとの連携および活用に強みがあるという。また、業界に先駆けてサブスクリプションモデルでの提供を開始し、初期導入コストを抑えた柔軟なライセンス購入をユーザーに提供する。

[八木沢篤,TechFactory]

Inventorの歴史

 製造業、特に機械・装置設計や工場設備のレイアウト設計業務に適した3次元設計ソリューションとして、オートデスクが提供するミッドレンジ3D CAD「Autodesk Inventor」(以下、Inventor)。

 Inventorの最初のバージョンがリリースされたのは、1999年のこと。オートデスクといえば、汎用CADとして、建築、土木、機械設計の分野で広く普及している「AutoCAD」(1982年に最初のバージョンがリリース)が有名だが、Inventorは世の中にある他の商用3D CAD製品と比較して後発に分類される。しかし、当初からAutoCADのデータ形式であるDWGとの連携に力を入れて開発が進められてきたInventorは、2D CADから3D CADへと時代がシフトする中、2次元図面(DWGファイル)の資産を有効活用したいと考えるユーザーをターゲットにその認知度を次第に上げてきた。

 この業界標準といえるDWG形式のファイルを、ネイティブに扱えることを強みの1つとし、Inventorはその時代やニーズに適した機能強化や、パフォーマンスおよびUI(ユーザーインタフェース)の改善などに取り組んできた。具体的には、DWGや他社CADファイル形式とのデータ連携性の強化、モデリング手法の拡充、設計・製造に関する各種機能強化、設計の自動化などが挙げられる(詳しくは後述)。また、AutoCADブランドの機械設計ソフトウェア「AutoCAD Mechanical」と電気制御設計ソフトウェア「AutoCAD Electrical」との連携強化、大規模アセンブリの表示パフォーマンスや操作性の向上なども図ってきた。

「Inventor 2018」の画面イメージ 「Inventor 2018」の画面イメージ(出典:オートデスク)

 2017年4月に、3D注記の書き込みの対応や幾何公差アドバイザーの追加などが含まれる「Inventor 2018」を発表。そして同年7月にそのマイナーバージョンアップが行われ、「Inventor 2018.1」が現時点での最新バージョンとなる(原稿執筆時点:2017年8月)。

 また、提供方式に関しては、2016年からオートデスクの全製品が従来のライセンス買い取り方式(永久ライセンス)を終了し、利用期間を柔軟に選択できるサブスクリプションモデルに変更。近年、3D CAD業界のトレンドとしてサブスクリプションモデルへの移行が徐々に進みつつあるが、その先駆けとなったのがオートデスクである。

 以降、Inventorもサブスクリプションモデルで提供されることとなる。さらに、2017年からは、これまで業界/業種別に提供してきたソフトウェアパッケージ「Suite」の構成も見直され、複数のソフトウェア、クラウドサービス、技術サポートなどで構成される「業界別コレクション」として提供。Inventorは、製品設計と工場レイアウトに役立つツール群で構成される「製造業界向けコレクション」の中に含まれている。

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