質の高い解析を実現するには“What”と“Where”を明確にせよ:設計者CAEは普通の解析と何が違う?(10)(1/2 ページ)
「設計者CAE」という言葉が設計現場で聞かれるようになって久しいですが、3D CAD推進とともにきちんと設計者CAEに取り組んでいる企業もあれば、まだ途上あるいは全く着手していないという企業もあるかと思います。連載第10回では、“What/Where(何を/どこの)“に着目し、解析を行う上での対象物のポイントについて紹介。併せて、基本キーワード「ヤング率」「ポアソン比」について解説します。
解析担当者へ“曖昧な依頼”をしていませんか?
皆さんは、解析担当者に構造解析や熱流体解析を依頼する際、
強度解析をお願いします!
流れの解析をお願いします!
といったように、“曖昧な依頼”をしていないでしょうか? 意地悪を言うわけではありませんが、「どこの」「何を」という“具体性”に欠けた依頼は、解析担当者に煙たがられます。
筆者は、解析依頼を受ける側にいますが、日ごろこのような曖昧な依頼を受けることも少なくありません。筆者自身もそのように心掛けていますが、自ら設計を行い、解析により検証を実施しようとする際、“具体性に欠けていないかどうか”を必ず意識するようにしています。皆さんはいかがでしょうか?
さて、今までお話してきた“思い付き”や“五月雨式”のCAEによる設計検証からの脱却における1つの手法として、「設計FMEA(DFMEA)」の取り組みがあります。これにより、詳細設計の着手時に潜在的なリスクを見つけ出す作業を行い、体系的なCAE運用を実践することで、“場当たり的な解析”から“具体的、合理的、効果的な解析”へと変革を遂げ、具体性のある解析(解析依頼)が実現可能になります。
これまで設計者CAEの“How(どのように)”について紹介してきましたが、今回は、“What/Where(何を/どこの)“にフォーカスし、解析を行う上での対象物のポイントについて解説します。
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「どこ(場所、部分)」を見たいのか?
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