シュナイダーがスマート工場向け施策など注力、「ARアドバイザー」展開も強化:EcoStruxure
シュナイダーエレクトリックが日本では初開催となるユーザーイベントを開催した。多方面に展開する同社が「One Schneider」として取り組む、デジタル化への対応とエネルギー効率の最適化について紹介された。
Schneider Electricは2018年5月18日、日本では初開催となるイベント「Innovation Summit Tokyo 2018」を開催した。“シュナイダー”というとUPS(無停電電源装置)などデータセンター向け製品の印象が強いものの、安全計装コントローラー「Triconex」は化学プラントで広く使われている他、日本法人のシュナイダーエレクトリックはHMIのデジタルやSCADAのInvensysなどをグループ会社に有しており、生産設備向け製品にも積極的である。
イベントに登壇したSchneider Electricのリュック・レモン氏(エグゼクティブ バイスプレジデント)はシュナイダーエレクトリック日本統括代表の白幡晶彦氏とともに、「デジタル化への対応」と「エネルギー効率の改善」を目的とした同社の取り組みについて説明した。
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壇上に立ったリュック氏は今後の20年間で「1.5倍のエネルギー効率」「二酸化炭素排出の半減」「3倍の効率化」を目指さなくてはならないとの目標を述べ、そのためにはデジタル化の推進とエネルギー効率の改善が不可欠であるとする。
その目的のために同社が提供するテクノロジーアーキテクチャが「EcoStruxure」だ。これは需要に応じハードウェアやソフトウェア、ネットワークやインテグレーションなどを最適な形で組み合わせるIoTソリューションで、ビルディングや電力グリッド、それに工場・プラント、データセンターといった分野へ、それぞれに適した「接続性」「エッジコントロール」「分析」を提供する。
日本ではスマート工場など3領域に注力
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