大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
Intelの苦境が人ごとではないSamsung ファウンドリー事業は崖っぷち(1/3 ページ)
Intelの苦境がさまざまなメディアで報じられているが、それを「対岸の火事」では済ませられないのがSamsung Electronicだ。Samsungのファウンドリー事業も、最先端プロセスの歩留まりや米韓での工場関連で問題が山積している。Intel同様、深刻な状況に陥っている。
9月を通してみると、Intelに関しては相変わらず話題が絶えることが無かった。QualcommによるIntelの買収提案とか、ArmによるIntel Products Groupの買収打診など、Intelそのものの買収が取り沙汰されるようになったのも無理もない。株価は9月末のClosing Rateで23.46米ドル。時価総額は1000億米ドルほどであり、NVIDIAの3兆米ドルはもとより、AMDの3000億米ドル弱と比較しても少ない金額だけに、企業買収のターゲットにされるのは致し方ない。
そのIntelの復活の鍵を握っているのはIntel Foundryであり、Intel自身もIntel 18Aプロセスを利用した「Xeon 6」の出荷をアナウンスしているのだが、その一方でBroadcomがIntel 18Aプロセスにダメ出しをしたことが報じられるなど、こちらも楽観視できる状況とは言い難い。そもそもIntelの"Launch"とか"Shipping"は全然あてにならない(「Sapphire Rapids」の時がその好例であった)事や、OEMパートナーがそのIntel 18AベースのXeon 6を搭載したシステムのアナウンスを全く行っていない事を考えると、まだIntel 18Aは茨の道が続いていると考えた方が良さそうだ。
Intelの苦境が人ごとではないSamsung
そんなIntelの苦境が人ごとでなくなっているのがSamsung Electronicsというか、その中のSamsung Foundryである。Samsung Electronicsそのものは好調であり、10月8日に発表された2024年第3四半期の決算ガイドライン(決算そのものの発表は10月末の予定)では売上は74.07兆KRW、営業利益10.44兆KRWとされている(参考)。2023年第3四半期がそれぞれ67.40兆KRW、2.43兆KRTだから、売り上げそのものは9.8%程度の増加にすぎないが、営業利益率が3.6%から14.1%まで大幅に改善している。ちなみにIntelの2024年第3四半期決算はまだ発表されていないが、第2四半期は売上128億3300万米ドルに対して営業利益はNon-GAPPベースで0、GAPPベースだと16億5400万ドルの赤字である。
ただ、このSamsung Electronicsの好調はメモリにけん引されたものであり、Samsung Foundryそのものに関して言えばいろいろ苦境が伝わってきている。
「SF3」プロセスの歩留まりが低過ぎる
具体的に言えば、Samsungが間もなく量産を開始するはずだった「SF3」プロセスが、まともに量産できる体制になっていないという話だ。The Korea Timesの9月12日付の記事によれば、ことし(2024年)第2四半期末の段階でのSF3のYieldは20%を切っているという。
GAA(Gate-All-Around)の製造が難しいのは周知の事実であり、実際Samsungの最初のGAAプロセスである「3GAE(SF3E)」も、2022年に初めて量産開始をアナウンスした際のYieldは10%台にとどまっており、これが2022年末には40%程度まで向上したという話があったから、第1四半期のSF3のYieldが10%台なのは驚く話ではない(とはいえ、ではSF3Eの経験は生かせなかったのか?という疑問は湧くが)。問題は第2四半期でも20%弱までしか改善されていないことで、これは量産プロセスとしては失格である。実際これが理由で、同社のスマートフォン向け「Exynos 2500」のエンジニアリングサンプルの提供も遅れているようだ。この結果として、SF3に関しては現状全く受注が取れていない状況になっているそうである(これはまぁ当然ではある)
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これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
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