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» 2022年06月10日 09時00分 公開

Wi-Fi 7がフライングで市場投入?大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)

エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回はこの5月に活発となったWi-Fi 7の動き、パワー半導体向けのFabが拡充している話題、CXL 3.0がロードマップに出現した件などをお届けする。

[大原雄介,TechFactory]

 5月でちょっと大きなイベントとしてはBroadcomによるVMWare買収があるが、本件はこちらで書いてしまったので、その他の話をいくつかご紹介したい。

Wi-Fi 7が(またもや)フライングで市場投入?

 2022年1月19日、台湾MediaTekは恐らくIEEE P802.11be Draft 1.0に基づいたと思われる試作チップの動作デモを特定顧客向けに行ったことを発表した。もっともこの時点では試作チップだったのか、それとも試作チップのIPを実装したFPGAで試したのかは定かではないのだが、5月23日にアクセスポイント向けとクライアント向けのチップセットをそれぞれ発表したあたりは、もう1月のデモの時点でかなり完成度は高かったと思われる。これに先立つ5月4日にQualcommもWi-Fi 7のアクセスポイントおよびクライアント向けチップセットを発表している。既に両社のチップのサンプル出荷は開始されており、現在はさまざまな機器ベンダーが製品試作を始めていると思われる。

 実をいうとWi-Fi 7ことIEEE 802.11beの仕様策定作業は現状ちょっとだけ遅れていた。当初2022年3月に行われる予定だったDraft 2.0のLetter Ballotは5月に行われた。ただ続くDraft 3.0のLetter Ballotは2022年11月の予定から動いておらず、標準化完了の時期も2024年5月から変化はない。そしてDraft 2.0が投票の結果承認されたことで、技術的には現在のDraftのものから変わらない事が確定した。という事は、今後仕様変更が出てもファームウェアの改定で対応できる可能性が高い。QualcommにしてもMediaTekにしても、そのあたりの見切りが付いたことで今回チップセットの発表に踏み切った事になるという事は、今年の年末商戦には早くもWi-Fi 7を名乗るアクセスポイントとかクライアント向けカードが登場しそうだ。

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