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» 2020年02月07日 10時00分 公開

組み込みエンジニアの現場力養成ドリル(24):英語のコミュニケーションで最も苦労しているのは米国人!? 〜 英語によるUI (1/3)

今回は、組み込み系エンジニアがものすごく苦労している「英語によるユーザーインタフェース(UI)やデザイン」を取り上げます。組み込み製品で、何かを英語で伝えるのは難しく見えますが、コツを押さえれば、意外に簡単です。このコラムで、「コミュニケーションの国際化」のコツを理解していただければうれしく思います。

[山浦恒央 東海大学 大学院 組込み技術研究科 非常勤講師(工学博士),TechFactory]

はじめに

 最近、公の場で英語のアナウンスや表示が急増しています。例えば、地下鉄やバスで英語のアナウンスが流れるのは当たり前ですし、新幹線に至っては、以前は、録音の英語のアナウンスを流すだけでしたが、今は車掌さん自ら英語による車内放送をしています。ぎこちないカタカナ英語の人、抑揚をつけて流ちょうに話す車掌さんなど、個性にあふれていて、とてもほほ笑ましく思います。

 英語のアナウンスを聞くと、2020年東京オリンピック/パラリンピックが目前に迫っており、世界の国の人を受け入れる準備をしていると感じます。通勤中、英語の車内アナウンスを初めて聞いたとき、こう思った人が多数でしょう。「うわっ、英語の放送だ。『シンバシ』とか『ユウラクチョウ』は聞き取れるけど、なんて言っているのか分からない。やっぱり、もっと英語力を鍛えなきゃ」。これは、20%正しく、80%間違っています。

 コンピュータ系のエンジニアは、自動車、建設、薬品を含むあらゆる技術分野の中で、英語と接する機会が圧倒的に多い業種です。会社では、上司から、経済産業省の情報処理技術者資格を取ることと、英語能力の向上をうるさく言われていることでしょう。英語の車内アナウンスを聞くたびに、上司から言われた「英語を勉強しろ」「TOEICで600点以上取れ」との声が頭に響きますね。

 筆者は、大学でユーザーインタフェース設計の授業も持っています。今回は、組み込み系エンジニアがものすごく苦労している「英語によるユーザーインタフェースやデザイン」を取り上げます。組み込み製品で、何かを英語で伝えるのは難しく見えますが、コツを押さえれば、意外に簡単です。このコラムで、「コミュニケーションの国際化」のコツを理解していただければうれしく思います。

問題(制限時間:3時間)

 以下に、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が公表した2018年度のTOEICの国別スコアを挙げます。

表1:TOEIC Listening & Reading Test 国別平均スコア(2018年)
国名 TOEIC L&R
平均スコア
国名 TOEIC L&R
平均スコア
国名 TOEIC L&R
平均スコア
1 カナダ 871 18 韓国 673 35 グアドループ 592
2 チェコ共和国 812 19 チリ 673 36 中華人民共和国 578
3 ドイツ 798 20 ヨルダン 671 37 エルサルバドル 571
4 レバノン 786 21 アルジェリア 658 38 メキシコ 568
5 ベルギー 774 22 エクアドル 657 39 マルティニーク 568
6 イタリア 767 23 マレーシア 649 40 台湾 554
7 フィリピン 727 24 セネガル 639 41 ベナン 546
8 フランス 724 25 カメルーン 632 42 香港 540
9 モロッコ 719 26 ギリシャ 630 43 ベトナム 533
10 チュニジア 718 27 ブラジル 629 44 日本 520
11 スペイン 712 28 トルコ 625 45 マカオ 490
12 ポルトガル 708 29 コロンビア 621 46 モンゴル 479
13 アルゼンチン 707 30 レユニオン 618 47 タイ 478
14 マダガスカル 696 31 インド 609 48 アルバニア 473
15 ロシア 684 32 ガボン 607 49 インドネシア 464
16 コスタリカ 683 33 コートジボワール 605
17 ペルー 675 34 ポーランド 602 ― 
※年間の総受験者数が500名以上の国のみを掲載
 出典:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(2019年6月6日付リリースより編集部作成)

 同協会によると、この表は、TOEICを採用している世界150カ国(年間受験者数700万人)の中で、受験者数が500人以上の国の平均点で順位をつけたそうです。日本は平均点が520点で、下から6番目の位置にいます。ちなみに、前年の2017年度のランキングでは日本の平均は517点で、47カ国中、下から9番目、2016年度は516点で、49カ国の中で下から9番目、国別ランキングを最初に発表した2013年度は、512点で、48カ国の中で下から9番目でした。

問題1

 英語に接する機会が最も多いコンピュータ系のエンジニアでも新幹線の英語の車内アナウンスが理解できないことと、TOEICのランキングから、どんなことが分かるでしょうか? 国際コミュニケーションおよび、英語によるユーザーインタフェースの視点で考えてください。

問題2

 IT系技術者が、例えば、新幹線の英語の車内アナウンスが理解できるようにするには、どのようにすればいいでしょうか? 国際コミュニケーションおよび、英語によるユーザインタフェースの視点で考えてください。

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