ロシアのソチで開催された産業システムセキュリティのカンファレンス「Industrial Cybersecurity 2018」で、モノ作り現場の革新に取り組むオムロンが登壇。「現場の声の重視」をポイントにしたセキュリティ実現に向け、協業を呼び掛けた。
「ファクトリーオートメーション(FA)の世界において、セキュリティリスクは今や可能性ではなく『現実』になろうとしている。オムロンはさまざまなパートナーと協力しながら、その解決に取り組んでいきたい」――ロシア・ソチで行われた「Industrial Cybersecurity 2018」において、制御機器・FAシステム大手、オムロンの小島訓氏(商品事業本部 コントローラ事業部 NW&IO PMG長)が講演を行い、会場に向かってこのように呼び掛けた(関連記事:「産業システムのセキュリティ対策、課題は山積み」――カスペルスキーが警鐘)。
創業から85年を迎えるオムロンだが、設立当初から「オートメーション」にフォーカスしてきたという。「『機械にできることは機械にまかせ、人間はもっと社会的なイノベーションに取り組もう』という理念を掲げて事業を進めてきた」(小島氏)。
しばしば、プロセスオートメーション(PA)と混同されがちなFAだが、制御のタイミングが秒単位か、マイクロ秒単位かなどいくつか大きな違いがある。そしてFAの中でもオムロンは、上位の分散システム層ではなく、最も現場のセンサーや装置、PLCに近いエリア、「高度」に例えるならば0〜10メートルの領域でノウハウを蓄積してきた。
「FAの領域でもIoTは必須であり、OTを改善するために互いに『つなぐ』ことが必須になっている。かつてはインターネットにつながっていなかったPLCやセンサーが工場の外部ともつながることになり、それ故に大きなリスクに直面している」(小島氏)
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例えば、オムロンが提供しているソリューションの一つに、偽造防止技術がある。ロシアでもアルコール飲料の検査などに活用されているというが、「もしこれらを構成しているMRPやPLCが侵害を受け、レシピが変更されてしまうと深刻なハザードが発生し、コンシューマにも大きな影響が及ぶ」と小島氏は説明し、対策が火急の課題になっているとした。
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