シノプシスは、ARC HSプロセッサ・ファミリー向けソフトウェアの開発期間を短縮する開発キット「DesignWare ARC HS Development Kit」の提供を開始した。embARCオープンソースソフトウェアなどにより、早期開発を実現する。
シノプシス(Synopsys)は2018年1月29日(現地時間)、ARC HSプロセッサ・ファミリー向けソフトウェアの開発期間を短縮する開発キット「DesignWare ARC HS Development Kit」の提供を開始したと発表した。必要な機能が実装された開発ボードとembARCオープンソースソフトウェアにより、早期開発を実現する。
同キットの開発ボードには、ARC HS34プロセッサをシングルもしくはデュアルコア構成で、あるいはARC HS36ならびにHS38プロセッサをシングル、デュアル、クアッドコア構成で設定できる。プロセッサは1GHzで動作し、ソフトウェアを完全にロード可能な4GBのDDRメモリを搭載する。Ethernet、USB、SDIO、I2C、SPI、UART、GPIOなど各種インタフェースの他、Vivante GC7000 Nano Ultra GPUも実装。Wi-FiやBluetoothモジュールも基盤実装している。Linuxカーネル、Yocto、Buildrootシステムもサポートする。
同キット向けの全てのソフトウェアはembARCのWebサイトから入手でき、各種ドライバ、FreeRTOS、ミドルウェアを無償で利用できる。embARCのWebサイトは、組み込み開発者のための包括的なリソース環境であり、無償のオープンソースソフトウェアやツールを1カ所から入手でき、開発を迅速に進められる。
さらに、開発、デバッグ用ツール群のARC MetaWare Development Toolkitも同キットをサポートしており、高度に最適化されたコードの開発やデバッグを実行できる。ARC向けGNU Toolchain(GNUプロジェクトによるツール群)もARC HS3xプロセッサをサポートする。
また同キットは、HapsTrakコネクター経由で同社のFPGAベースプロトタイピングシステムであるHAPSと接続できるため、プラットフォームを拡張して新たなIPのプロトタイピングや必要なドライバの開発を進められる。Digilent Pmod、Arduino、mikroBUSを介した拡張も可能で、必要な機能を容易に追加できる。
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