AI(人工知能)はその適用範囲を広げ、製造業でも利用され始めています。まずは「製造業におけるAI」について理解することから始めましょう。
AI(人工知能)はIoT及びスマート工場における重要な技術要素であることは、あらためて説明する必要もないでしょう。ですが、現状では人の介在が全く無いまま、全てのものづくり改善をAIが実施してくれるわけではありません。
製造業やものづくりを語る文脈にてAIとは、「コンピュータに人間と同様の知能や知識をもたせること(学習すること)」と解釈されます。もう少し具体的に言うと、従来は人が検討して理論を考え、プログラミングすることでルール(条件)を設定したものが、AIは自らがデータを学習し、ルール(条件)を自動的に設定します。
現在、研究と応用が進んでいるAIにはさまざまな種類がありますが、良く耳にするのは「機械学習(人間の「学習」に相当する行為を自動的に行う)」や「ニューラルネットワーク(コンピュータの中で脳に模した仕組みを構築する)」、それに「ディープラーニング(ニューラルネットワークを3層以上重ねる)」といった言葉です。
このディープラーニングは、AIの能力を画期的に革新したいとえるでしょう。このディープラーニングとAIの命綱ともいえるビッグデータの進化により、現在は第3次AIブームとも言われています。今後、実産業で活用され効果が認められれば、ブームから定着へと進んでいくでしょう。
AIは、他の技術と組み合わさり、その効果を発揮することが多いと考えられます。特にロボットへの適用や設備や製品の異常検知などは有効ですし、デジタルツインなどの次世代のスマート工場やロボットにおいて、AIが中核の技術になることは間違い無いと思われます。一方、安全/安心が最重要な分野においてはAIの適用は時間がかかる可能性が高いとも考えられます。
日本においてはAIそのものの技術は世界に比べ遅れているといわれています。しかしながら、AIを実際の産業に活用し成果を上げている事例は少ない中で、日本のものづくり産業が生き残っていくためには、AIを有効に応用することでコスト削減などの成果につなげることが重要です。日本において、海外で発展してきた技術を実際の産業へ生かすことは得意であり、今回もそこがポイントとなるでしょう。
この第4次産業革といわれる時代においては、従来、人が実施していたオペレーションなどの作業が自動化/AI化されるなど、いわゆる“無くなる仕事”が多数発生するといわれています。この時代の変化を見据えて、ものづくり企業は、人材育成や業務改革にいち早く取り組む必要があると考えられます。
それでは、IoT関連の知識・スキルアップに役立つ問題を出題します。今回は、上記のAIのものづくりへの適用についての問題となります。
問題(4)
ものづくり産業へのAIの適用は、今後の必須課題です。しかしながら、AIの特性を理解した上で活用しないと効果に結び付かないばかりか、重大な問題を引き起こすこともあります。次のモノづくり産業へのAI適用について、現段階で最もあてはまらないものを1つ選びなさい。
※本連載の設問が実際のIoT検定にそのまま出題されるわけではありません。
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