Autodesk University Japan 2017/不二精機|事例
業界トップのおにぎり成形機メーカーが取り組んだ“3D CAD推進”(2/3 ページ)
3D CAD導入の効果は大きそう? 3D CAD推進に向けた第一歩
そして2001年、将来の成長を見据え、製品開発の効率化を目指し、3D CAD推進がスタートする。「当時出会ったCADメーカーの担当者に、『現状のやり方では限界がありますよね?』と指摘され、次のステップに行くためには『業務プロセスの改革が必要です』とアドバイスをもらった。その際、『コンカレントエンジニアリング』『フロントローディング』『デザインレビュー』など、当時のわれわれにとって“?”な言葉が飛び交っていたが、その必要性について説明を受けたことを覚えている」と前田氏は話す。
そのCADメーカーによると、現状、試作機の開発では新規部品が非常に多く、作図にも時間がかかり、加工手配後の問い合わせも多いことから工期として5.2カ月を要していたという。これに対し、3D CADを導入してコンカレントエンジニアリングを実施し、業務分担を行いながら適宜デザインレビューを行い、開発工程に製造部も参加して手戻りの削減を図ることで、試作機の工期を1.2カ月短縮できるとした。また、量産機の開発においても加工データの事前作り込みなどを行うことにより、工期を0.9カ月短縮できるとアピール。「もちろん、この提案通りに全てがいきなりうまくいくとは思えなかったが、最終的に1機種立ち上げるのに40%の工期削減ができるのは非常に大きい。挑戦する価値があると判断して、3D CADの導入を決定した」と前田氏。
しかし、開発設計部で同じ3D CADを導入するということにはならず、大型機のグループはハイエンド3D CADを、小型機のグループはミッドレンジ3D CADを選択することとなった。大型機のグループとしては、トップダウン設計、コンカレントエンジニアリング、設計意図を盛り込んだ設計、参照を使った手配図面の自動設計化、流用率向上による工期短縮などがハイエンド3D CADを選んだ理由だという。やりたいことが盛りだくさんでかなりしっかりとした教育を受けて、3D設計へと移行したそうだ。これに対して、小型機グループは、まだまだ3D CADのハードルが高いということで、「特に教育を受けず、わずか1週間程度で3D CADによる設計ができる」というCADメーカーの触れ込みを信じ、ミッドレンジ3D CADを導入したという。
では導入後の効果はどうだったのか? 前田氏は「大型機のグループでは、トップダウン設計の確立、同時並行作業も行えるようになり、途中からはデータベース(DB)管理ソフトも導入し、履歴管理とデータ編集権限の管理が行えるようになった。また設計意図、参照関係がガチガチに決まっている分、干渉や穴ずれといった失敗は少なくなったが、その半面、一度エラーを起こすとその失敗解決に多くの時間が取られてしまい、作業効率が向上したかというと、そこまでの効果が得られなかった」と話す。
そして、もう一方の小型機のグループでは「使い方は2D CADのときと大差はなかった。それぞれが独学で習得したやり方で自由に作図。他の人が図面を開きたくてもどこにデータがあるのか分からないだとか、共通部品があちこちに点在してしまうだとか問題も多く、手戻り量も2D CADで運用していたころと変わらなかった」(前田氏)。
その他、設計以外での3D CAD導入によるプラス効果もあったという。例えば、設計後のレビュー、組み立て手順書や販促資料の作成などの効率化だ。これまでは大きく設計、製造という領域で使用されていた設計データだが、3Dデータ化されたことでその適用範囲が広がったといえる。
その後同社は、少しずつ問題点を解決しながら順調に3D CAD推進を進めていったが、2009年、次の転機が訪れる。組織の再編だ。
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導入事例(メカ設計)
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