IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質(2)
組み込みソフトウェア品質の「特異性」と付き合い方(6/7 ページ)
3.3 品質は使用者のために――品質の三原則
ここで見てきたものを原則としてまとめる。品質は開発者のためにあるのではなく、使用者のためにある。そして品質は作られるのではなく、作るものである。これが品質の第1原則である。他の原則もこの大原則に基づいている。
品質の第2原則は既に紹介したが、品質バランスである。品質は全方位に気を配ることではなく、緩急をもって定める。この品質バランスの原則が開発者のためだけでなく、使用者のためにもなる。
3番目の原則は、品質は究極の目的「ではない」ことだ。どんなに品質が優れていようと、それが高価であったり、入手しにくかったり、幻であったりするものでは駄目である。これが品質の第3の原則である。
第1原則の品質は使用者のためというのも難しい問題である。第2原則の品質バランスをどう折り合うか、これも難しい問題である。第3原則は会社として品質活動を行うときの大原則である。さらに問題を難しくしているのに、次節で述べる品質の環境依存問題がある。
3.4 品質は状況によって変わる
品質には時間と空間の広がりがある。今は品質が良くても未来では悪くなるようでは駄目である。この場所で良くても、別の場所で悪くなるようでは駄目である。このように品質は時間や空間も含む環境や状況に依存する面倒なものである。そしてさらに面倒なのは品質が人に依存することである。ある人にとっては優れた品質のものでも、別の人には最悪な品質であるかもしれない。本当に人間の性格のようである。
全ての時間、全ての空間(環境、状況)、全ての人に対して、品質を追い求めるのは無理である。このため、限られた時間、限られた空間、限られた人に対して、品質を提供することになる。この限られた対象をどうするか、どのように対象を限定するのか、これが品質の依存問題である。
この依存問題が品質向上の活動を困難にしている。この依存問題については後の回で紹介する予定である。
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IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質
組み込みソフトウェアにおける「品質」とは、一体、何者であろうか。多用されている言葉であるがその実態はようとしてしれない。この連載ではIoT時代の組み込み系ソフトウェアの品質」をテーマに開発現場の目線で見ていく。出演者は情報系に籍を置く大学1年生の紅美 香美(くみ こうみ)と品質 寛容(しなしち ひろい)。
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