製造業のビジネスモデルが「モノづくり」から「コトづくり」へとシフトする中、パナソニックは、これまで日本の製造業が世界をリードしてきた生産技術/量産化技術をヒントに“イノベーションの量産化技術”を実現し、同社の成長の源泉であるクロスバリューイノベーションの取り組みを加速させようとしている。
パナソニックは2017年7月26日、「イノベーション量産化技術開発の取り組み」に関する技術セミナーを開催。同社の成長の源泉となる“クロスバリューイノベーション”の実現とそれを量産化するための取り組みについて、パナソニック ビジネスイノベーション本部 副本部長 兼 パナソニックノースアメリカ 副社長の馬場渉氏が説明した。
IoTやビッグデータ、AIなどの活用を背景とした製造業のデジタル化が進む中、ビジネスモデルもこれまでの「モノづくり」から「コトづくり」へと変化しつつある。
しかし、日本の製造業はモノづくりからコトづくりへのシフトに苦戦している。世界的企業のAppleやGoogleなどがコトづくりのビジネスに成功している中、なぜ日本の製造業はコトづくりで勝てないのか? その理由について、馬場は次のように説明する。
「それは、かつて日本の製造業がモノづくりでリーダーシップを発揮してきた生産技術/量産化技術のようなフレームワークが、コトづくりの領域にないからだ。そうしたフレームワークがない状態ではやれることは限られてしまう」(馬場氏)。
馬場氏は、もともとSAPジャパンでバイスプレジデント チーフイノベーションオフィサーを務めていた人物。2017年4月に行われた同社のイノベーション推進に向けた体制変更により新設されたイノベーション本部の副本部長として抜てきされ、“パナソニックの次の100年”に向けたイノベーションの量産化を可能にする仕組み作りに取り組む。
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