テクノブレーン AIセミナーレポート
人間を超えるセンシング能力をクルマに! デンソーが取り組むAIプロジェクト(3/3 ページ)
2つ目の柱である半導体について、岩崎氏は電力や回路規模といった車載限界のラインを越えないための取り組みを紹介。「ディープラーニングなどの先進技術の活用が進むと、どうしても車載限界ラインに近づいてしまう。そこをいかに抑えるかが重要となる」と岩崎氏。その具体的なアプローチとして、講演ではDNN(Deep Neural Network)を車載で動かすための専用ハードウェア(DNNアクセラレータ)と、不揮発メモリを用いたアナログ演算で低消費電力および高速、高集積化を実現する技術研究について紹介した。前者のDNNアクセラレータをFPGAなどでハードウェア化することで省電力化と高速化の両立が可能となる。後者は「メモリスタ」という抵抗変化型不揮発メモリを活用したニューロコンピューティングで、重み計算を瞬時に終わらすことができる技術だという(現在は基礎研究レベル)。
3つ目の柱が品質基盤である。AI技術の実用化が進むと、「これまでの品質保証の考え方を変える必要が出てくる。それはデータの品質、モデルの品質、システムの品質だ。機械学習をする際のデータそのものの品質は大丈夫か、学習の結果出てきたモデルの品質はきちんとしたものか、それを組み込んだシステムの品質は問題ないかといったことが求められるようになる。こうしたものの保証を実現する基盤技術の開発も不可欠である」(岩崎氏)。
そして講演の終盤、岩崎氏はAIを活用した自動運転における3つのアプローチとして、「ブルートフォース」「品質保証」「AI責任」について言及。「とにかく走行実績を積み重ね、人間と同じくらい安全であることを検証すること。そして、想定範囲を明確化して定格の下での品質を保証する。併せて、訴訟や社会的制裁への対策として検証した事項を全て証拠として残すことも大切である。また、AIが社会に受け入れられるための倫理的、法的、社会的な責任の在り方を考え、これを見極めていかなければならない」と岩崎氏は述べる。
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