注目される製造業IoTだが、トレンドマイクロらの調査で産業制御システム「SCADA」関連製品の脆弱性も多く発見された。製造業IoTの存在感が増すに従い、セキュリティリスクも高まっている。
生産ラインの監視や制御など製造業にとっても無視できない存在となり、各社が積極的に取り組んでいる製造業向けIoT(Internet of Things)だが、その存在感が高まるにつれてセキュリティリスクも高まっていることがセキュリティベンダー、トレンドマイクロの報告で明らかにされた。
トレンドマイクロが2017年3月2日に公開した「2016年年間セキュリティラウンドアップ」では、2016年における国内外のセキュリティ動向が分析、報告されている。セキュリティ全般としての大きなトピックは、画面ロックやファイル暗号化を勝手に行い、その解除に金銭を要求する「ランサムウェア」の被害件数増であるが、製造業関連従事者としてはIoTデバイスを狙う不正プログラムや、産業制御システムの脆弱性報告が増大していることに着目したい。
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そもそもIoTとセキュリティが無関係ではいられないことを強く印象づけたのは、2016年第4四半期に発覚したボットネット「Mirai」を利用したDDoS攻撃にてネットワークカメラなど多数(一説には10万台を越えるとも)のIoTデバイスが乗っ取られ、利用されたことだ。このDDoS攻撃ではさまざまなWebサービスに影響を及ぼし、その中にはTwitterやSpotifyなど一般消費者にも身近なものも含まれていた。
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