特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
連載
» 2016年12月22日 08時00分 公開

IoTスペシャリストを目指そう(8):第8問 IoTで用いられるネットワーク (2/3)

[IoT検定制度委員会,TechFactory]

無線センサーネットワークとPAN

 それでは、無線LANで用いられる規格とWSNやPANで用いられる規格の違いを確認しましょう。無線LANで用いられるWi-Fiは、正式には「IEEE 802.11」と呼ばれます。2.4GHzを利用するIEEE 802.11 a/b/gの他、5GHz帯を用いる高速規格である「IEEE 802.11ac」も普及してきました。この規格は最大通信速度6.9Gbps、通信距離100m程度です(IEEE 802.11acの理論値。通信距離は環境によって変動あり)。親機に対して複数の子機が接続されるツリー型のネットワーク形態は、PCをインターネット接続する用途に良く用いられます。1つのパケットのデータサイズは最大2キロバイト程度です。

 これに対し代表的なWSNである「ZigBee」は無線規格に「IEEE 802.15.4」を用いています。2.4GHz帯の周波数帯を用い、通信速度250kbps、ノード数約6万個、通信距離100m、最大パケットサイズ127バイトでスター型、ツリー型、メッシュ型などのネットワーク形態に対応しています。無線LANと比較すると通信速度は遅く、パケットサイズも小さいのですが、低消費電力であり単三形乾電池にて1年程度稼働させることができます。

 ZigBeeではノードにデバイスタイプとして「コーディネーター」「ルーター」「エンドデバイス」があり、それぞれセンサーを持つことができます。コーディネーターはネットワーク接続を開始するデバイスで、1つのネットワークに1台しか存在できません。ルーターは他のノードからのデータを中継するので、スリープできません。エンドデバイスはデータを中継しないのでスリープすることができます。スリープすることで電池寿命を延ばすことができます。

ZigBeeが構成できるネットワーク形態

 Bluetoothは身近な機器の接続に用いられるPANの代表と言えます。数mから数十m程度の接続距離で最高24Mbpsの通信速度を持ちます。このBluetoothのバージョン4.0でBLE(Bluetooth Low Energy)と呼ばれる省電力版が追加されました。BLEは従来のBluetoothと互換性を持ちませんが、27バイトといった極小サイズのパケットを用い、データ通信速度を1Mbpsとすることで,ボタン電池で1年以上動作させることを可能にしています。

いろいろな無線通信規格

 これまで説明してきたものも含めて、IoT向きの主な無線通信規格を次にまとめます。IPv6を省電力無線ネットワークに導入した「6LoWPAN」(シックスロウパン)や日本発の国際標準でHANに用いられる「Wi-SUN」などが期待されています。Wi-SUNが用いている920MHz帯は障害物に強く、遠くまで届きます。「IEEE802.11ah」や「LoRa」も同じ920MHz帯を用いています。

規格名 概要
Bluetooth 2.4GHz帯を用い,数mから数十m程度を最高24Mbpsで無線接続する。IEEE802.15.1として標準化。PCや携帯電話の周辺機器接続に用いられる。
BLE Bluetooth Low Energy。2.4GHz帯で数mから数十m程度を1Mbpsで接続。従来のBluetoothとは互換性が無い。小さなパケットで省電力。
ZigBee 2.4GHz帯を用い,通信距離100mで250Kbpsと低速。安価で省電力。ZigBeeの下位層がIEEE802.15.4。
6LoWPAN(IPv6 over Low power Wireless Personal Area Networks) IPv6を用いた省電力無線通信。下位層にIEEE802.15.4を用いる。
Wi-SUN 920MHz帯を用い,通信距離500mで数百Kbps程度の省電力無線通信。IEEE802.15.4g及び4eとして標準化。HANで用いられる。
IEEE802.11ah 920MHz帯を用い、通信距離1キロで数Mbpsの通信速度を持つ。Wi-Fiで用いられるIEEE802.11に追加された無線規格。
LoRa 920MHz帯を用い、通信距離5〜10キロで1Mbps未満の低電力広域無線技術。

今回の問題

 それでは、IoT関連の知識・スキルアップに役立つ問題を出題します! 今回はネットワークに関連する設問となります(※)

問題(8):

 IoTで用いられるネットワークに関する説明として正しいものを1つ選びなさい。

  1. BLEは従来のBluetoothとの互換性を保ちながら省電力性を実現している
  2. ZigBeeのデバイスタイプ「ルーター」はスリープすることができる
  3. 6LoWPANは、IPv6に対応した省電力無線通信である
  4. Wi-SUNはBANに用いられる規格で、無線LANと同じIEEE802.11を用いている

※本連載の設問が実際のIoT検定にそのまま出題されるわけではありません。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading