リコーは、高い出力性能を備えたファイバーカップリング式808nm帯半導体レーザー「ハイパワーVCSELモジュール」を開発した。
リコーは2016年7月、高い出力性能を備えたファイバーカップリング式808nm帯半導体レーザー「ハイパワーVCSELモジュール」を開発したと発表した。レーザー点火やレーザー加工機、センシング用途に加え、エンジンなどの点火用途にも適用できる。
同社は、面発光レーザー素子と呼ばれる半導体レーザーデバイス「VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)」素子を用いたアプリケーションの開発を進めてきた。今回同モジュールでは、VCSEL素子の発光効率の向上と発光チャンネルの大規模集積化により、アレイの高出力化を実現。VCSELアレイ単体の出力は310W、モジュールとしてのファイバーアウト出力は200Wを達成している。
また、面上に多数の発光チャンネルを有するVCSELアレイと、各発光チャンネルに対応するレンズを1枚のチップに集積したマイクロレンズアレイ(MLA)を用いることで、数点の部品での実装と小型化を可能にした。
VCSELは、従来の端面発光レーザーに比べて波長の温度安定性が10倍程度高く、温度変化に対する波長安定性に優れている。これにより同モジュールでは、固体レーザーの励起時に、励起光の波長安定性が得ることができる。そのため、精密な温度コントロール装置を不要とし、モジュールを小型化できるという。
同社は今後、独自の光学技術を組み合わせ、レーザー加工機やレーザーパターニングなどの表面加工、非熱加工への展開を見据えた開発を進めるとした。
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