大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
Intelの復活プラン(5/5 ページ)
余談ながらGelsinger CEOが就任時に掲げたIDM 2.0の、もう少し明確な意味が今回示された(図15)。従来のIDM 1.0というのは、要するに古いプロセスをどんどんフェーズアウトさせていく方式である。
例えば32nmプロセス(2010年発表の初代Coreシリーズで初採用)は、22nmプロセス(2012年発表のIvy Bridgeベース第3世代Coreシリーズで初採用)の登場に合わせてCPUの製造から次第にフェーズアウトしてゆき、その代わり新CPU向けチップセットの製造に切り替わる。たださらにその次の14nm(2014年発表のBroadwellベース第5世代Coreプロセッサで初採用)が利用可能になると、チップセットの製造も22nmに切り替わる。この時点で32nmプロセスを使う製品は、長期供給向けとか一部になるため、複数あった製造拠点は1か所に集約され、残りの拠点はより新しいプロセスに向けて製造装置の入れ替えなどを行うという形になっていた。つまりおおむね4~5年でピークアウトする訳だ。ただFoundryのビジネスで言えば、操業を開始して3~5年程度で設備投資を償却し終わるので、後は原価率を大幅に下げられて結果として高い利益が得られることになる。なので、次のプロセスが出たとしても既存のプロセスの生産を縮小したり先端プロセスに転換したりせずに、引き続きそのプロセスを生産し続ける事で、高いウェハ生産能力を維持しつつ売り上げを増やせる、というのがIDM 2.0ということになる。今回の話で言えば、Intel 16/3/18Aといったプロセスは、今後も縮小したり転換したりせず、長期的に製造を継続するという意気込みな訳だ。
ということで、現状で言えば2021年の売り上げのほとんどはTraditionalに属する訳で、これが今後5%成長として2026年には953億ドルほど、9%成長で1150億ドルほど。間を取って1050億ドル程度の成長として、Emergingの方が今後5年間で152億ドル~265億ドルほどに伸びる事で、トータルで10~12%の成長(つまり合計の売り上げで1203億ドル~1316億ドル)に達する、というのがGelsinger CEOの成長プランである。確かにこの位にしないとAMDを始めとする競合を振り切るには十分ではない、という判断なのかもしれない。そしてその鍵はIntel 4やIntel 20Aがどこまで順調に立ち上がるかに掛かっている。これが実現できれば、確かにこのプランは不可能ではないだろう(いろいろ厳しいとは思うが)。まずは今年中に、本当にIntel 4が立ち上がって本格量産出荷が可能かどうか、の見極めを年末まで待ちたいと思う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] 自動車業界には好機 脱炭素×コスト削減×現場改善を実現するエネルギー戦略 -
製品資料
[株式会社 Green AI] 脱炭素投資をすぐ回収したい 自動車業界にも有効なCO2削減アプローチ -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:「PCIM 2026」で見たパワー半導体最前線――電子版2026年10月号
-
2
CAE解析をAIエージェントに任せてみた 人は何を担うのか
-
3
スマート工場動向調査2026
-
4
AIエージェントで製造業の暗黙知を継承、熟練者の思考を再現する保全強化策
-
5
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:製造現場にフィジカルAIをどう実装するか――電子版2026年9月号
-
6
DMG森精機の欧州深耕
-
7
高精度テクノロジーの学習モジュール 「高精度ADC 基礎編・上級編」
-
8
太陽光発電と蓄電池を最適制御、再エネ活用とコスト削減を両立する製品とは?
-
9
製造現場などを支える状態監視システム サンプリングの位相ずれを減らすには?
-
10
半導体の微細な構成要素を非破壊で可視化/評価する「3D X線技術」とは?
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー