大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
2021年8月のM&Aを振り返る(1/3 ページ)
エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は、8月に多数行われたM&Aについて、それぞれの方向性や目的をまとめてみた。
2021年8月はいろいろとM&Aが盛んだった月、ともいえる。ちょっと並べてみると
- 8月3日 MarvellがInnoviumを買収
- 8月18日 RambusがPLDAを買収完了
- 8月27日 ADIがMaximを買収完了
- 8月30日 SynapticsがDSP Groupを買収
- 8月31日 RenesasがDialogを買収完了
といった状況になっている。加えるとAMDによるXilinxの買収であるが、買収に必要となる各国の承認のうち、EUに関しては6月末に取得、7月1日付で公示されている。残るは中国のみであるが、WCCFtechの8月5日付けの報道によれば順調とのことで、年内の承認取得と、これに伴う買収完了に向けて順調に推移しているといえる。
ところで今回ご紹介する8月の買収、それぞれに目的というか方向性がだいぶ違っているのがちょっと面白いので順に説明したい。
MarvellのInnovium買収は、データセンター向けSwitchの獲得が目的である(関連記事)。2021年8月27日付のForm 10-Q(今年第2四半期の決算報告書)から、マーケット別収入を抜き出したのが図1であるが、御覧の通りData Center向けの躍進が著しい。同社はAutomotive向けに力を入れている事もあってAutomotive/Industrialも売上比率は伸びているが、Data centerとEnterprise networkingで売り上げ全体の6割を占めており、InnoviumのSwitch Solutionはここの強化に貢献するというのが分かりやすい。
Rambusは、2021年6月16日にPLDAとAnalogXの両社の買収を発表。AnalogXの買収は同年7月6日に完了したが、PLDAの買収完了は同年8月18日となった。この買収は、Rambusの本来のターゲットである、Interface IPの拡充に向けたものである。もともとRambusはまず新しいMemory I/FのIP提供から始まり、ついでさまざまなI/F IPの提供、さらにSecurity Solutionとか一部Memory I/Fチップの提供(InphyのMemory Bufferビジネスを丸ごと買収している)など多角化が著しいし、一時期はLEDソリューションとかImage Sensorソリューションなどにも手を出していたが、最近はこうしたものからは撤退。I/F IPとSecurity IPの提供に専念している。こうしたRambusにとって、AnalogXの提供していた高速Analog I/F IPや、PLDAの提供していたPCIeやUSBのController/PHY IPの技術は、I/F IPのラインアップを拡充しうるものであり、納得ができる。
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大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
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