大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
Aurora遅延に絡むTSMCのオレゴン進出/DRAMで苦悩するHuawei(5/5 ページ)
これに対して厳しいのが、実はDRAMである。UniIC(西安紫光国芯半導体有限公司:旧Qimondaの開発拠点をベースに設立された)やCXMT(長シン存儲技術)といったメーカーがDRAMの供給を行っているが、製造プロセスそのものは3xnm/2xnm世代である(最近CXMTが19nmの製品の開発に成功としている)が、これはSamsungでいえば2014~2015年の製品に相当する。一応8Gbit品までは既に量産に入っているが、サーバ用途で利用される大容量メモリの量産はまだちょっと掛かりそうだし、そもそも生産量がトップ3社(Samsung、SK Hynix、Micron)に比べると格段に落ちる。5G基地局を構築するために必要なDRAMをこの2社から供給を受けるとすると、両社の生産量のほぼ全部を買い入れてまだ足りない、という事になりかねない。
上でちょっと書いたSamsung/SK Hynixのチップ供給停止は、取りあえずは液晶パネルのコントローラICであってまだメモリチップそのものではないが、次はDRAMなのは明白である。DRAMの場合、長期供給契約に基づくContractと供給契約なしのSpotという2種類の市場があり、Samsung/SK Hynixとの間でContractが結べなくなっても、Spot市場からある程度は入手できるとは思うが、Spot市場だけでHuaweiのニーズを満たすのは無理である。その意味では、UniICやCXMTの供給量が増えないと、やはり苦しい事になりそうだ。
こうした状況をかんがみると、Huaweiが今後も5Gビジネスを継続していくのはかなり困難、という状況に陥った形になっている。既にスマートフォン販売から撤退、なんてニュースも流れているが、こちらは正直いって余禄であり、むしろ本丸である基地局ビジネスからこのままだと撤退せざるを得なくなりそうなあたりが、米国政府の本気度を示している。もっとも本当にHuaweiが基地局ビジネスから撤退するような状況になったら、中国政府によるカウンターアタックもかなり熾烈なものになるのは目に見えている。既にIT業界の枠の中では落としどころが見えない状況になっており、今後の動向が非常に気になるところだ。
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大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
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