大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
Aurora遅延に絡むTSMCのオレゴン進出/DRAMで苦悩するHuawei(4/5 ページ)
Huawaiの苦悩:ロジックもさることながら、DRAMの手当てが苦境
トランプ政権の対中国強硬策の焦点になっているHuawei。既にTSMCでの新規生産は終了を余儀なくされており、それどころかSamsungやSK Hynixまでチップの供給を停止するとしている。
これを現状中国のFabでどこまで代替できるのか? という話であるが、まずロジックに関しては中国最大手であるSMIC(中芯国際集成電路製造)が28nmまでのプロセスは安定して量産ができており、14nmも一応立ち上がってはいる。ただし直近(2020年6月時点)でいうと、14nmプロセスの売り上げ全体に占める割合は1.4%と非常に低く、あまり期待できそうにない。実は中国にはもっと先端プロセスを狙ったHSMC(武漢弘芯半導体製造)というファウンダリもあり、14nmからスタートして7nmを狙うという予定だったが、同社は資金ショートに直面しているそうで、わざわざTSMCの蒋尚義氏を総経理に招いたにもかかわらず、既に辞職したという報道もなされているなど、状況はあまり芳しくない。少なくとも当面、HuaweiがHSMCをあてにするのは難しいだろう。
となると、利用できるのはSMICの28nmプロセスということになる。これはスマートフォン向けSoCを製造するにはあまりに古すぎるが、サーバであれば(消費電力やダイサイズ面での不利を我慢すれば)性能的にはそこそこのものが作れる。もっとも、もうArmのIPも利用できなくなる可能性が高いため、必然的にRISC-VあるいはMIPSベースでの構築となるので、例えばHuaweiが2019年に発表したKunpeng 920に比べると性能が1/10近くまで落ちるかもしれないが、これは数の論理(10倍のプロセッサを並べればいい)で解決できなくはない。
ちなみにトランプ政権はSMICも禁輸対象に含める事を検討しているとされるが、こちらはまだ未確定な話ので取りあえず議論からは外しておく。プロセス周りでいえばもう一つ、RF Analogに関しても問題である。もちろんSMICもMixed Signal&Analog向けプロセスを出しているが、5Gで利用されるSub 6GHzをきちんとカバーできるRFを製造できるかといえば、現状厳しいだろう。
ストレージ周りはYMTC(長江存儲科技)が既に3D NANDを実用化しており、もちろんSamsung/東芝/SK Hynixなどに比べると若干見劣りはするかもしれないが、代替品としては十分な範囲の容量・速度のものが入手できる。むしろCold Storage(HDD)の方が厳しい(有力な代替メーカーが存在しない)が、こちらは端的にいえば市販品を購入して使ってもいい訳で、まだ何とかなる範疇(はんちゅう)である。
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