大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
MIPS Openの終焉、好対照のRISC-V(3/3 ページ)
oneAPIのその後
2019年9月の話題であるが、IntelのStratix 10 DXに絡んでちょっとOne APIの話をこの連載でご紹介した。そのoneAPIだが、2019年11月17日にβ版が公開された。このβ版は、同社のサイトから入手できるほか、プログラミングガイドも入手可能だ。このプログラミングガイドをざっくり眺めてみた感想を言えば、かなりOpenCLへの依存度が高い気がする。もともとIntelは2019年7月にDPC++(Data Parallel C++)という新しい言語を開発した事を明らかにしており、実際oneAPIのβ版でもDPC++由来と思われるAPIがサンプルコードの中に散見されるが、CPUはともかくとしてGPUとかFPGAの細かな制御は引き続きOpenCLベースに頼っているようだ。
実際FPGAに関しては、Intelによる買収前からOpenCLを利用するツールとか環境を旧Alteraで提供されており、Intelによる買収後もこれは変わらない、というかPACカード(FPGAを搭載した拡張カード)を利用してのアプリケーション高速化にはOpenCLを利用するケースが少なくないので、これはこれで妥当ではあるのだが、逆に言えばOpenCLの提供している抽象度未満の制御は当然できないことになる。Intelはもう一段抽象度の低いソリューションとしてIntel HLSコンパイラを提供しているが、こちらはoneAPIとの統合は少なくとも現段階では見送られた模様だ。これに関しては、筆者が知る限り明示的なアナウンスが一切ないので、将来的に統合されるのかどうかもよく分からないが、FPGAはともかくCPUやGPUをHLSで扱うのはなかなか大変そうで、なのでHLSはoneAPIの対象外になるのかもしれない。結果として、oneAPIは確かに“Write once, Run anywhere”を実現できるかもしれないが、現時点のレベルではその分最適化の度合いはあまり高くなさそうだ。このあたり、oneAPIを使うと性能が出ないのでやっぱりQuartus Prime(Altera/Intelの提供するFPGA向け開発環境)を使ってください、なんて形にならない工夫があればいいのだが、さて?
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大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
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