組み込みエンジニアの現場力養成ドリル(8)
野球「マジック」点灯のバグ(その1:問題編)(5/5 ページ)
マジックの計算
上記では「AはBを対象として、マジックが点灯している」ことが分かります。自力優勝できるのが1チームという状態であれば、マジック点灯チームは対象チームに全敗しても、残りに全勝すれば優勝できます。
この状態で、はじめてマジック・ナンバーを計算できます。マジックとは「対象チームに全敗したとして、残りチームの試合でいくつ勝てば優勝できるか」の数字です。では、マジックの値を計算してみましょう。
Aのマジック対象チームであるBの勝率は、残り試合に全勝する場合で55勝32敗13分=0.6322となります。AはBに全敗したとしても、B以外の試合が11ゲーム残っています。この11試合を何勝何敗で切り抜ければ、Bの達成しうる最高勝率である0.6322を上回るかを計算すればいいのです。この計算を以下に示します。
上記から、AはCに5勝すればBの最高勝率を上回れますので、マジックは「5」になります。AがBに勝つこともあり、その場合はBの勝率が下がるので、マジックは通常2つ減ります。現時点では、Aは残りの15試合(Bと4試合、Cと11試合)で5勝すれば優勝です(Bに全敗の5勝10敗なら、図の黄色い部分となり、43勝25敗32分で勝率0.6324となります)。
マジック計算プログラムのテストケース設計
ここまでの説明で「マジックとは何か」「マジックの点灯条件」「マジックをどう計算するか」についてはお分かりいただけたと思います。1ステップずつ見れば、意外に簡単ですね。
マジックの基本が分かったところで、第三者が作ったマジック計算プログラムのテストケースを設計しましょう。試合は例に挙げたように、3チームが各50試合戦うリーグ戦方式で、優勝や引き分けの扱いも本コラムと同じとします。
正常ケース
・(1)全てのチームに自力優勝の可能性がある場合
・(2)2チームに自力優勝の可能がある場合
・(3)1チームだけ自力優勝が可能な場合(マジックが点灯している)
- (4)既に優勝が決まっている
問題編(制限時間120分)
ここから問題編です。上記4ケース以外のテストケースを設計してください。解答と解説は次号に。
ヒント:以下の事象が発生するか? 発生するなら具体的なデータを示せ。
(1)2チーム以上にマジックが点灯する
(2)残り1試合でもマジックが点灯しない
(3)点灯中のマジックが増える
(4)2位以下のチームに点灯する
(5)点灯したマジックが消滅する
(6)消滅したマジックが再点灯する
(7)マジックが点灯チームの残り試合数より多い
(8)点灯チームが勝ってもマジックが減らない
(9)点灯チームが引き分けるとマジックが減る
(10)点灯チームが1つ勝つだけでマジックが3つ減る
(11)対象チームが負けてもマジックが減らない
(12)対象チームが引き分けるとマジックが減る
(13)対象チームが引き分けるとマジックが変化しない
(14)試合を全て消化したチームが対象チームになる
*参考資料:wikipedia マジックナンバー(野球)
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