組み込みエンジニアの現場力養成ドリル(8)
野球「マジック」点灯のバグ(その1:問題編)(4/5 ページ)
自力優勝の可能性判定
上記の計算をしても優勝が決まらない場合、自力優勝の可能性を判定します。この自力優勝の可能性についても、上記同様、2チームごとの対戦としてチェックします。これはプロ野球のように6チームでの優勝可能性判定であっても同じです。
広島とヤクルトであれば、ヤクルトが広島戦も含む残り試合を全勝し、広島がヤクルト戦以外に全勝したとしましょう。この際に広島がヤクルトを勝率で上回れば、「広島は自力でヤクルトの上位になれる」「ヤクルトは自力では広島の上位になれない」ことになります。ヤクルトは広島より上位になる可能性こそ残されますが、自力では優勝できないので、優勝するには他のチームに頑張ってもらわなくてはなりません。
プロ野球であれば、この「2チームごとの自力で上位になれるかのチェック」を6チーム全てで計算します(上記の「優勝のチェック」と同じ30通りになります)。上記の例で言えば、広島だけが残り5チーム全てに勝ち越す可能性があり、残り5球団に自力優勝がなければ、「広島だけ自力優勝可で、残り5球団に自力優勝はない」として、マジックが点灯することになります(マジックの計算は後述)。
今回例示したA、B、Cのような3チームで優勝を争う場合、「自力優勝の可能性判定」アルゴリズムは以下になります。
(1)AとBにおいて、Bが残り試合を全勝し(A対Bも全てBが勝利)、AはB以外の試合に全て勝った場合の勝率をそれぞれ計算する。
(2)BとAにおいて、上記を実施する。
(3)BとCにおいて、上記を実施する。
(4)CとBにおいて、上記を実施する。
(5)AとCにおいて、上記を実施する。
(6)CとAにおいて、上記を実施する。
この処理もExcelで簡単に計算可能です。Excelでの計算結果を以下に示します。
結果を見るとA以外に自力優勝の可能性はなく、BはCがAに勝つことを祈るだけです。この判定で、自力優勝の可能性が1チームだけの場合、勝率の最も高いチームにマジックが出ます(2位や3位のチームにマジックが出ることもあります)。プロ野球の場合も同じで広島にマジックが点灯しているということは、残りの5チームに自力優勝の可能性がないことを示します。すなわち、以下の状況です。
マジック点灯の条件
(1)優勝は決まっていない。
(2)自力優勝できるチームが1つしかない。
マジックが点灯するチームは自力優勝できるチーム(1チーム)で、先に紹介した上の勝敗表の場合はAになります。対象となるのは、Aとの自力優勝計算で最も勝率が高いチームであり、上記ではBということになります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
組み込みエンジニアの現場力養成ドリル
このコラムでは、組み込みエンジニアが日々の開発で実際に遭遇する「小さなトラブルを」取り上げ、演習形式で解説します。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] 自動車業界には好機 脱炭素×コスト削減×現場改善を実現するエネルギー戦略 -
製品資料
[株式会社 Green AI] 脱炭素投資をすぐ回収したい 自動車業界にも有効なCO2削減アプローチ -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
CAE解析をAIエージェントに任せてみた 人は何を担うのか
-
2
高度な半導体/電子デバイスの非破壊不良解析を支える「3D X線技術」に迫る
-
3
「ロボットアーキテクチャ」実態調査2026年版:現在の課題と優先事項を解説
-
4
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:製造現場にフィジカルAIをどう実装するか――電子版2026年9月号
-
5
スマート工場動向調査2026
-
6
「見て覚えろ」が通じない時代 製造業の保全技術はどのように継承すればよい?
-
7
動き出したファナックの「フィジカルAI」
-
8
【読者調査結果】製造業の脱炭素動向調査2026
-
9
自律走行搬送ロボット(AMR)の位置推定と自律走行はどこまで高精度化できる?
-
10
はじめての化学工学まとめ(Part1)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー