XVL 3次元ものづくり支援セミナー 2018 講演レポート
“つながらない”製造現場から脱却せよ! XVLがもたらすデジタル革新とは(2/3 ページ)
設計3Dデータの価値を最大化する「Casual3D」とは?
ご存じの通り、XVLはラティス・テクノロジーが開発した超軽量3D技術であり、“誰もが、どこでも、手軽に3Dを扱う”というコンセプト(Casual3D)を提唱してきた。
全ての製造プロセスにXVL技術を浸透させ、XVLパイプラインを構築し、いつでもどこからでもモノづくり情報を取り出せる世界を実現するに当たり、Casual3Dは重要な考え方であり、「ノートPCやタブレット端末などにも“3Dの効能”を伝えることで、社内だけでなく、社外(ディーラーや顧客など)の満足度も向上し、新規ビジネスの創出にもつなげることができる」と鳥谷氏は述べる。
講演では、コンバインの組み立て工程シミュレーションや、トラクター運転席ボンネットのサービス手順書の作成にXVLを活用するヤンマーの事例を紹介。「ヤンマーでは、3D CADデータをXVLに変換し、デザインレビューや生産準備の検証に活用したり、生産、販売、サービスに利用したりしている。実際、リードタイム短縮やパーツカタログ作成工数の低減といった効果が得られたと聞いている」(鳥谷氏)
ただし、ヤンマーのようにデジタル連携が進んでいる企業は少ないという。「確かに設計プロセスにおいては、3D CADによる3次元デジタル化が進んでいるが、生産技術の領域、ここでデジタルの連携が途絶えているケースが多く見られる」と鳥谷氏は指摘する。
そこで、ラティス・テクノロジーは自ら支援サービスを提供することで、生産技術のデジタル革新を推進しようとしている。「生産技術の革新の必要性は皆さん理解している。しかし、実際に始めるとなると『現場への3D適用の方法が分からない』『XVLが扱える人材がいない』『成功イメージがわかない』といった声が聞かれる。それであれば、XVLのエキスパートであるわれわれがその不安を解消するお手伝いをし、(生産技術のデジタル革新が)本当に使えるのか、使えないのかを含めて、第一歩を踏み出すための支援を行っていきたい」と鳥谷氏は考えを示す。
製造業における第4次産業革命を推進する上で、PLMを軸とした情報活用は欠かせない。ラティス・テクノロジーでは設計情報を管理する設計PLMに、試作、生産技術、製造までを広範にカバーする「ダウンストリームPLM」を加えたものを“真のPLM”と定義している。これを実現するためのキーとなるのがXVL技術であり、XVLデータを各プロセスに流通させる仕組みがXVLパイプラインである。
「真のPLMを実現するためには、『1.3D設計の定着』『2.3D活用の定着』『3.XVLの高速流通』に取り組まなければならない。この3つのステップを進めることにより、あらゆる組織/部門で3D推進およびデジタル化の成果、恩恵を享受することができる」(鳥谷氏)
講演では、3つ目の“XVLの高速流通”の実現にフォーカスし、全社で正しい設計情報に基づく3D業務を確立するためのエンジンとして、「XVL Contents Manager」を紹介。XVL Contents Managerは、モノづくりの全工程における設計情報の有効活用を実現するデータ管理ソフトウェアで、正しい設計情報となるXVLを一気通貫で管理、配信し、後工程でXVLから作成した成果物なども一元管理する。また、設計変更にも追従し、影響を受ける指示書や手順書を迅速に把握できるという。「設計変更が生じた場合、従来は指示書探しに右往左往していたが、そうした無駄な時間が一切なくなり、迅速かつ正確な対応が可能になる」と鳥谷氏。
XVL Contents Managerの事例として、日野自動車による3D図面自動生成への取り組みを紹介。日野自動車は車両開発の効率化を目指して、3D CADで設計した3Dモデルを基に、XVLで3D組み立て図を自動生成する仕組みを構築し、XVLと生成した組み立て図をXVL Contents Managerで管理、全社展開できる体制を整えたという。「これにより、作図工数が半減し、“3Dで着実に伝える”という環境を構築。設計の作図工数にして、約50%削減できたと聞いている」(鳥谷氏)
また、鳥谷氏は設計における3D推進に関しても言及。「最初は部品の3D設計から始め、次に一部製品のフル3D設計に取り組み、最終的には全製品のフル3D設計を実現する。このように3D設計の取り組みを進化させていくことで、3Dデータの適用範囲を拡大でき、その価値を最大化できるようになる」と述べる。
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