SOLIDWORKS Simulation ワークショップ
パスタで橋を作ってデザインが構造を強くすることを証明せよ! 設計者CAE講座(2/3 ページ)
解析するのは簡単!? 4ステップで実行できる
通常のパスタ橋のワークショップでは、こうした座学も踏まえつつ、ハンズオン形式のCAD/CAEの講習も行われる。「中にはこのワークショップをきっかけに、初めてSOLIDWORKSに触るという方もいる」(大澤氏)とのことで、設計者CAEの活用やパスタ橋に興味のある他社CADユーザーの方でも気軽に参加可能だという。
なお、今回は特別版ということで、あらかじめトラス構造のパスタ橋がSOLIDWORKS上にモデリングされた状態からスタート。この橋のモデルがどれくらい強いのかをSOLIDWORKS Simulationで証明すべく、まずは線形静解析を体験。大澤氏は「『解析は難しい』というイメージをお持ちかもしれないが、実はたった4つのステップで実行できてしまう」と説明する。
- 材料の指定
- 拘束条件の指定
- 荷重の指定
- 解析の実行(RUN)
材料の指定では、使用する部材の材料を選択する。材料は、弾性係数やポアソン比、降伏強さなどのパラメータを持っているが、今回はワークショップ向けにパスタのパラメータがあらかじめ定義されていたので、それをそのまま選択した。
続いての拘束条件の指定では、構造物であるモデルに支点(拘束された節点)を設定する必要がある。ワークショップの実験では谷(テーブルとテーブルの隙間)に40cmのパスタ橋を架けて検証が行われるため、パスタ橋の4角を支点として拘束することにした。「先ほど、本物の橋は固定されていないと話したため矛盾に感じられるかもしれないが、ワークショップでは『デザインで、橋そのものをどう強くするか』に重きを置いているため、基本的に4角を固定することにしている。ただ、CAEは奥が深くシビアな点もあるため、詳しい方に対しては自由に拘束条件を指定してもらっている」と大澤氏。ここでのポイントは、拘束条件と(後述の)荷重条件が常に同じでないと、デザインによって強度がどのように変わったかを正しく比較、検証できないということだ。
荷重の指定は前述の通り、中央部にかまぼこ板を置くため、それを支える2本の部材に上から下への外部荷重を指定する。ちなみに、これまでのワークショップの経験から700g程度の荷重に耐えられると「強いパスタ橋」と呼べるそうで、「国内だと最高で2kg(2000g)の荷重に耐えたケースもある」(大澤氏)というから驚きだ。今回、強いパスタ橋の目安である700gを2本の部材で支えるので、1部材当たり350gを荷重として指定した(なお、SOLIDWORKS Simulation上ではSI単位で作業を進めた)。
解析の準備は以上で、後は[スタディの実行]ボタンを押すだけで、解析が実行されて結果が得られる。「このようにモデルさえあれば、すぐにそれが強いか弱いかを解析できてしまう。これが設計者CAEの魅力の1つだ」と大澤氏は説明する。
「結果をどう見ればいいか分からない」――設計者CAEの課題
だが、手軽な半面、課題もあるという。それは解析結果を“どう見てよいか分からない”というものだ。CAEに慣れている設計者であれば何ら問題ないかもしれないが、解析や材料力学などの座学を習得していない解析初心者の設計者だと、表示結果をどう見てよいか分からないという問題に直面することが多いそうだ。
「そのような場合、まず自分が何をしたいのかをあらためて確認することだ」と大澤氏。強度的に問題がある(弱い)部分を明確にしたいのであれば、まず解析結果をアニメーション表示してみるといいだろう。応力によって次第に形状が変位する様子をコマ送りで確認できる。ただ、デフォルトのままでは、1つの部材が10の要素で細切れ(細かくメッシュが切られている)になっており、解析結果がたるんだロープのようになってしまう。これを回避するためには、メッシュの要素数を現実世界のパスタのように1要素(1本10cmのパスタ)に変更する必要がある。これもメニューから簡単に変更可能で、再度[スタディの実行]を行うことで、現実のパスタ橋に近い条件での変位を確認できる。また、色の付いた部分にどのような応力(引っ張りなのか、圧縮なのか)が働いているかについても設定を見直すことで容易に可視化できる。
後は得られた結果から最も負荷のかかる部分(赤色の部分)をどう補強するか、あるいは構造を変えて力を逃がすかといった判断を行い、設計を見直しながら形状を試行錯誤して突き詰めていく。「厳密にいえば、SOLIDWORKSのモデル上は、各部材の接合部がしっかりと固定されているが、現実はホットボンドで固定しているので“固定の確かさ”の問題もある。それ故、解析結果が現実の実験と必ずしも一致するわけではない。そういう点も理解してもらった上で、解析(CAE)というものを設計検討にうまく活用し、製造前の早期段階で何度も試してもらいたい」(大澤氏)
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