シュナイダーエレクトリック
IoT基盤が製造業に提供する効率化、工場ならば最大30%
シュナイダーエレクトリックが同社IoT基盤、「EcoStruxure」を工場やプラントに積極展開する。「最大30%の効率化」をうたい、HMIやPLCといった製品ビジネスだけではなくソリューションビジネスも強化する考えだ。
UPS(無停電電源装置)などデータセンター向け製品のイメージが強いシュナイダーエレクトリック(Schneider Electric)だが、近年ではHMIのデジタルやSCADAのInvensysなどを事業買収でグループ化するほか、「第2回 スマート工場EXPO」では「古い設備のIoT化をどのように実現するか?」と題した講演を行うなど、生産設備領域の存在感を高めている。
2018年1月に日本統括代表に就任した白幡晶彦氏は「デジタル技術の進歩で、さらなる効率化を提供する」と、同社のIoT基盤「EcoStruxure」を工場やプラントに向けて積極的に展開していく意向を示した。
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工場はデジタル化で最大30%の効率化が見込める
同社の事業はUPSを中心とした「IT事業」とデジタルのHMIを中核とする「インダストリー事業」が大きな柱となっており、この2つを中軸にInvensysなどを買収した「プロセスオートメーション事業」や「産業用ソフトウェア事業」などを展開する形態となっている。
日本統括に就任した白幡氏は日本製造業の課題として、高齢化による技術伝承の不確かさ、システム全体の統合管理(個別最適化が進む傾向が強い)、グローバル対応の弱さを指摘し、それを克服できるのがデジタイゼーション(デジタル化)だという。
「デジタイゼーションで何を提供するのか。端的に言えばデジタル化とエネルギー分散化を通じてエフィシェンシー(効率性)を提供することだ。具体的に言えば商業ビル、データセンター、工場とプラント、この3つはデジタル技術を用いたさらなる効率化が可能であり、工場やプラントであれば最大30%の効率化が見込める」(白幡氏)
そのデジタイゼーションの具体的な手法として展開しているのが、IoT基盤「EcoStruxure」だ。EcoStruxureは需要に応じハードウェアやソフトウェア、ネットワークやインテグレーションなどを最適な形で組み合わせるアーキテクチャとも呼べるもので、ビルディングや電力グリッド、工場・プラントなどの分野に適した「接続性」「エッジコントロール」「分析」を提供する。
このアーキテクチャを製品ごとにグルーピングすると「ネットワーク接続可能な機器」「機器制御のソフトウェア」「データ分析」に分類可能であり、オープンな技術を最大限に取り入れることで他社製品を含めた運用管理も可能となっている。諸外国では500万件以上の稼働実績を持っており、日本ではデータセンターのアット東京や家具のカリモクなどが導入している。
白幡氏は「昨今は“デジタル化が大事”のような論調も見られるが、大切なのは地に足をつけて効率を高めることであって、デジタル化はその技術的なアプローチにすぎない」と目的と手段の取り違いにならぬよう細心の努力を図るべきとするが、ある石油精製プラントでは、シュナイダーエレクトリックの安全計装システムを導入することで誤動作の回数を大幅削減(10回/15年を0回/15年に削減)するなど、デジタイゼーションの恩恵は大きいとも語る。
EcoStruxureは2007年から提供されており、実のところ製品やコンセプトそのものに新味は薄い。これは「機器を通じて接続性や持続性、効率性を提供することは昔からやっている」と白幡氏も認めるが、「複数プラントを接続しての効率性アップなど、デジタル技術の進歩でできることは増えている」と自信を見せた。
同種の取り組みを提供するライバルも多いが、白幡氏は「まずは協働していきたい」とオープンな技術を採用するEcoStruxureの強みを訴求する考え。加えて「アプリ/アナリティクス/サービスまでも提供できるのは強みだと考えている。諸外国のデファクトを知ることも海外進出したい日本企業の助けになると思っている」と外資のグローバル企業として、世界へ進出する日本企業のサポートも自社の強みだとの考えを示した。
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