市場動向
世界の最新モバイル事情をエリクソンが解説――2023年、5Gの加入数が10億に(1/2 ページ)
エリクソン・ジャパンは、2017年11月に発表した世界の移動通信市場のトレンドに関する最新調査報告書「エリクソン・モビリティレポート」のハイライトを解説した。
エリクソン・ジャパンは2017年12月18日、東京都内で会見を開き、同年11月に発表した「エリクソン・モビリティレポート 2017年11月」について解説した。
同社CTO(最高技術責任者)の藤岡雅宣氏は、「2017年末にはLTEがGSMを上回り、最大の加入契約数(アクセス技術)になる。さらに、2023年には(高度化モバイルブロードバンドの)5Gの加入契約数が10億件程度となり、同じく2023年にはグローバルデータトラフィックが8倍の110EB(エクサバイト、10の18乗バイト)/月になると予測される」と、今回のレポートの注目ポイントを紹介した。
移動通信市場のトレンドに関する最新調査報告書を読み解く
エリクソン・モビリティレポートは、エリクソンが半年に1回発行している、世界のモバイル通信市場のトレンドに関する最新調査レポートである。それによると、2017年第3四半期(9月末)時点でのモバイル加入契約数は前年比6%増の78億件となり、LTE加入契約数は25億件となった。一方、今回初めて“GSM/EDGEのみ”の加入契約数が1億3000万件減少した。モバイルブロードバンドは加入が前年比20%増の50億件に達している。さらに、スマートフォン加入の比率は57%となり、第3四半期に販売された全携帯電話端末のうち、83%がスマートフォンであった。
モバイル新規加入者数は全世界で9500万件あり、国別の加入純増数については中国が3000万件増、インドネシアが700万件増、米国が400万件増の順となった。人口普及率は地域別で中欧および東欧が144%と最も高く、続いて西欧が125%、中東が116%と続く。これは「『音声』と『データ』とで使い分けるなど、1人が複数台の端末を所持しているケースが多いためだ」(藤岡氏)としている。なお、全世界で加入契約率は103%と人口よりも加入数は多い。
方式別の加入動向では、「LTEの契約数が最大になったことが大きなニュースだ。ただ、その一方で3Gの加入契約数はほとんど変わっていないし、これからも変化がないだろう。また、2023年のモバイル加入契約数91億件のうち、10億件が5Gになるとみられる」(藤岡氏)という。
モバイルブロードバンドの加入契約数は順調に増加しており、2023年にはモバイル加入契約数91億件のうち、85億件(95%)になるとの見方だ。複数加入を差し引いたモバイル加入契約数は62億人に達する。なお、モバイルPC、タブレット端末などは、3.3億件でほとんど変わらないようだ。地域別では、北米で2023年には37%が5Gとなり、北東アジア(日本、中国、韓国)も34%と、この2つの地域が突出してモバイル契約数のうち5Gの構成比が高くなるとみている。LTEも世界的に伸びるとの予想だ。人口カバー率で見てみると、2023年には5Gが20%以上になる見通しだ。
さらに5Gのロードマップを見てみると、各国でさまざまな取り組みが進んでおり、日本でも2019~2020年ごろから商用サービス化がスタートするとみられている。
VoLTEの契約数は順調に伸びており、現在6.5億件だが2023年には55億件で、LTEおよび5Gの加入契約の80%に達するとみられる。アジア太平洋地域のボリュームが大きく、日本でも現在VoLTEが使われている。Wi-Fiコーリングは30以上の国の、55以上のネットワークで導入されており、「日本でも盛んに検討され、2018年ごろには実施されそうだ」(藤岡氏)という。VoLTE対応のデバイスモデルも1300以上になっており、最近では時計型のVoLTE端末(スマートウォッチ)も投入されている。また、IoT/Cat-M1デバイスの音声サポートも開始しており、例えば、エレベーターでボタンを押すと音声で案内したり、ペットが迷い込んだときに音声通話したりするなど、音声サポートがあるという。
世界のモバイルトラフィックは、毎年変動要因はあるものの、年率で6割増しとなっており、2017年から2023年までで全トラフィックは8倍増、スマートフォントラフィックは9倍増となりそうだ。2023年には95%以上がスマートフォンになるとみている。
モバイルトラフィックのうち、アプリケーションの種類別では動画トラフィックが2023年まで年率50%で増加し、SNS(34%)、音楽(32%)、ソフトウェアダウンロード(31%)、Web閲覧(21%)、ファイル共有(20%)などを上回る。構成比も動画は現在55%と最も大きく(2017年の月間モバイルデータトラフィックは14EB)、このペースで伸びると2023年(同110EB)には75%を占めそうだ。
スマートフォン1台当たりの地域別データ量は、北米が最大7.1GBで、2023年には48GBに伸びそうだ。西欧は現在の4.1GBから28GBへ、インドは無料データ通信などの影響もあり、現在の3.9GBから18GBへと拡大する見通しである。特にインドはモバイルデータトラフィック全体で、2017年の1.3EB/月から2023年には14EB/月へと11倍に拡大し、「ほぼ中国と拮抗(きっこう)してくる」(藤岡氏)と予想する。
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