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「生産現場でのロボット活用」を進めるために必要なプレイヤーとは(2/3 ページ)
こうしたソフトウェアの進化は、決められた作業を行う専用機を超える性能をロボットに与え、産業用ロボットの世界、特に大企業の産業ロボットに革命をもたらしつつある。複数のロボットが連携して動いたり、PC上で製造ラインを設計して実際の工場に反映したりと、専用製造装置では不可能だったことがロボットで実現されつつあり、それが生産の国内回帰も実現しつつある。
「これに加えて、中堅中小企業において人と機械(ロボット)との協働が働き方を変えつつあります。ただ、そのためにはロボットが進化するだけではなく、使いこなす技術がこれまで以上に求められます。これまでは大企業でしか得られなかった協働ロボットを使いこなす知見が、中堅中小企業の現場に求められているのです」(佐藤氏)
技術と教育、そしてビジネスを「並行」できるか
グローバルで通用する技術を持ちながら、ビジネスという観点では諸外国の後塵(じん)を拝していると佐藤氏が言う日本。これを乗り越える手掛かりは、ロボットの使いこなしに関する知見だと指摘する。日本人のもつ現場力、きめ細かさが生きる分野でもあると指摘する。
「工場にロボットを配置する際には、これまではロボット専用の区画を作り、人間の作業スペースとは区別する必要がありました。大企業なら問題ありませんが、工場の面積自体が狭い中小企業ではこの規制をクリアできず、日本の産業ロボットは大企業だけに育てられてきました。同じようにロボットを使いこなす知見も、大企業を中心に育てられてきました」(佐藤氏)
より多くの人が使いこなしを創意工夫しない限り、ロボット活用社会は訪れないと語る佐藤氏。そのためにはたくさんのロボットを安価に使えるようプラットフォーム化を進めること、アプリケーションやソフトウェア事業者が市場に入りロボット進化を加速させることが技術面での課題として挙げられた。
現場への浸透という観点では、サービス事業者が市場を作っていくこと、研究、教育、啓発によりロボットを使いこなせる人材を育てていくことが必要だと訴えた。立場で言えば、サービス事業者、アプリケーションソフトウェア事業者、ロボットプラットフォーム事業者、研究教育機関の4者がロボット活用社会の担い手になるイメージだ。これらを進めていくためにはブランドデザイン、ビジネスモデル、ベースとなる技術という異質な3つの要素が足並みをそろえて進化していかなくてはならない。
「日本人は同質のチームワークは得意だけれど、異質なチームワークは苦手です。そこから克服しなければ、研究知見では勝てるのに産業化で負けてしまいます」(佐藤氏)
現場における知見の蓄積も欠かせない。その転換点となったのが2013年に行われた規制緩和だ。従来、出力80W以上の産業ロボットは専用区画を設けなければならなかったが、ISOの安全基準に準じた対策を講じれば人と同じ作業スペースでロボットを使えるようになった。これまで大企業だけのものだった高度なロボットが、人手不足にあえぐ中小企業の生産現場でも使えるようになったのだ。その変化は大きく、かつてはメーカーと大企業ユーザーとの集まりの場だったロボット展示会に、多くの中小企業が集まるようになっている。
「しかし中小企業には、大企業がこれまで蓄積してきたような産業用ロボットを使いこなすノウハウがありません。あっても、それをロボットのソフトウェアとして記述し、現場でロボットが働けるようにしなければなりません。そこで重要になるのが、中小企業のロボット活用をサポートするSIerの存在です。そして、中小企業や個人のニーズを的確に把握している人の存在も貴重です」(佐藤氏)
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