SCF2017講演レポート
インテリジェントファクトリーの「今」と「これから」(2/3 ページ)
及川氏はIntelligent Dashboardについて、事象を観察する際に必要とされる3つの目(細部を注視する「虫の目」、流れを注視する「魚の目」、全体を俯瞰する「鳥の目」を導入者へ提供することが、その目的だと語る。
製造ラインや生産拠点の「見える化」といういわば製造業IoTの初手ともいえる取り組みで、「15%の生産性向上」といった大きな成果を得ていることは注目に値する。及川氏は見える化こそ、フィジカルとサイバーを鏡合わせで表現するデジタルツインやインダストリー4.0を支える重要な技術だとする。
世界規模の「見える化」で何が生まれるか
また、及川氏は1つの工場の最適化はもちろんであるが、複数工場の比較やベストプラクティスの発見も大切な要素だとして、オムロンと共同開発したコンセプト「ものづくり革新コックピット」を紹介した。
これは工場1つの状況を把握するだけではなく、その対象を全世界にまで拡大。全製造現場の4M状況などを可視化することで、生産性の向上につなげようというものである。さまざまなパフォーマンスを全世界の事業所や部門ごとに並べて比較することも可能であり、それは「自分たちより上手なやり方を知っている人たちがいる」という発見にもつながる。
これからの「インテリジェントファクトリー」
ここまでは「Intelligent Dashboardによる見える化」を中心に、富士通が実現してきたインテリジェントファクトリーの例だが、インテリジェントファクトリーは見える化だけで達成されるものではない。インテリジェントファクトリーの定義が定まっていない中で論を広げるのは早計かもしれないが、生産性向上という目的にためにはまだまだ多くのアプローチが残されている。
ハノーバーメッセなど海外展示会の視察経験も豊富な及川氏は「グローバルでは今、音声と画像の活用が進んでいる」と指摘する。音声インタフェース(音声入力)やチャットbotの活用、信号灯の画像認識による一括認識などを及川氏はその具体的な用途として挙げるが、それ以外にも、AI(コグニティブ)サービスとの連携も視野に入れれば、数多くの使い道が想定できる。
及川氏はその一例として、Intelligent DashboardとAIエージェント(実質的にはチャットbot)の「Anna」を組み合わせ、「今日は(製造ラインの)どこがいまひとつ?」などと質問するデモを披露した。このデモのバッググラウンドには、富士通のAI(コグニティブサービス)「Zinrai」を利用したリアルタイム音声認識などが機能しており、さらには自動翻訳を組み合わせれば、海外事業所での利用も容易となる。
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