ET2017講演レポート
スマート工場にはまだ“先”がある、そこに向けて解決すべき「課題」とは(1/3 ページ)
つながることで新たな価値を生むスマート工場は一部で成果も見られるが、“つなげる”プロであるシスコシステムズは「技術とビジネスの双方向に課題は残っている」という。その課題とは何か。
製造業において“つながる”ことは数年来のテーマとなっており、それは「IIoT」や「インダストリー4.0」「スマート工場」や「コネクティッドファクトリー」といった言葉で表される。大同小異ありながら、これらは“つながる”ことで新たな価値を生み出していこうという意志を示しており、一部では成果も上がっている。
しかし、産業用ネットワークにも精通し“つなげる”ことのプロであるシスコシステムズの鈴木和洋氏(戦略ソリューション・事業開発 兼 東京2020オリンピック・パラリンピック推進本部担当 専務執行役員)は「技術とビジネスの双方向に課題は残っている」と述べる。
ここではET2017で行われた鈴木氏の講演「コネクテッドファクトリーのその先へ 製造業のデジタルトランスフォーメーション」を紹介する。
◎「スマート工場/工場IoT」関連の 事例、課題、解説 など:
» 製造業が変わらなければならない「理由」とスマート工場の実現に必要な「視点」
» オムロンが示す「産業用ロボットの未来」――人との新たな協調、設備との協調へ
» 「設備」とともに「人」も成長するスマート工場、ジェイテクトが導入事例を紹介
「ITとOTの融合」は「幻滅期」
シスコシステムズは世界最大規模のネットワーク機器ベンダーであり、そのつなぐ対象はPCやサーバにとどまるものではない。モノのインターネット、IoT(Internet of Things)という概念を接続性という観点から支える企業であるといえる。
そのシスコシステムズは全世界のIPトラフィックとサービス利用について分析、予想するレポート「Cisco Visual Networking Index」(Cisco VNI)を発表しており、2017年版によれば接続される機器は今後5年間で171億台から271億台に、トラフィックは1.2ゼタバイトから3.3ゼタバイトへとそれぞれ増加するとしている(ゼタバイトは10の21乗)。
つまり、2017年はさまざまなモノがつながり、大量のデータが生み出され始めた時期であるといえる。それは言い換えればIoTがそのビジョンをもてはやされた時代から、現実の手段となったことで、課題が顕在化した時代になったともいえる。
鈴木氏は次いで2017年10月に発表された、ガードナージャパンの調査資料「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2017年」を紹介しながら、「IT/OTの融合」や「IoT」は過度な期待をすぎて幻滅期に入り、「IoTプラットフォーム」「人工知能」はこれからピークを迎える「黎明期」にあると紹介した。
ただ、このハイプ・サイクルは「期待度」と「時間」の相関関係を示すものであり、幻滅期に入るということは、概念実証実験(PoC)から実際の導入に向けた動きが始まっていることも示す。しかしながら「つながる工場」という理想に向けたPoCから、多くの問題が浮かび上がっていることも事実である。
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