東陽テクニカ DMTS
「時速160キロで急ハンドル」を再現できる、実車を使ったテストシステム(2/2 ページ)
VMRは単に映像を流すだけではなく、踏んだアクセルとブレーキにあわせて映像を変化させ、ステアリングについてもダイナモ下に用意した反力装置で実車に相当した操舵(そうだ)感覚を再現する。現時点では実装されていないが、車体底部に取り付けるタイプの車両姿勢制御装置も提供する。こうした制御装置は既に市販化されているが数億円と高価であるため、東陽テクニカではサスペンションの挙動再現に特化した安価な制御装置として提供する計画である。
「自動運転車テストプラットフォーム」としての定着狙う
自動車は高度化/電子化が進んでおり、開発と検証においては「SILS/HILSを使って机上検証したのちに車両に実装、テストコースで検証」という流れが主流である。MBDやシミュレーターの普及で初期図面の精度は向上しているが、経験が少ない新技術について背反性能の洗い出しが不十分であるという指摘もある。自動運転車になれば各種センサーや車外ITソリューションとの協調も求められるため、テストは複雑化の一途をたどると想定される。
DMTSもこうした複雑性に対応していくため、自動運転車両テストプラットフォームとしての強化を進める。現在はまだ「ハンドルを操作できるシャシーダイナモ」にすぎず、公道データを再生する「Vehicle Motion Realizer」(VMR)とのリンクも不完全で、どれだけハンドルを切っても流れる映像は変わらない。
ただ、この映像とのシンクロは早急に対応すべき点として開発作業が進められている他、自動運転車のテストプラットフォームとしても「自動運転のテストについては外的環境を作るより、ECUにデータを流してやるほうがいいだろうし、DMTSとしてもその方向で対応させていくことを考えている」(木村氏)と、強化の方向性は決定している。
従来のローラー型シャシーダイナモは建屋の地下にローラーを設置するため、どうしても導入は大掛かりになり、相当のスペースも必要となる。DMTSではダイナモを取り付けるスペースと、前方のディスプレイおよび後方の排気スペースを確保するだけで良く、7×10メートルのスペースがあれば導入できる。ただ、東陽テクニカはDMTSについて、従来型シャシーダイナモからの置き換えを狙わない。従来型はJASO規格の取得に利用できるが、DMTSは他規格の(SAE J2908)研究段階だからだ。
DMTSが狙う市場や企業について、東陽テクニカの袋晴夫氏(機械制御計測部 統括部長)は「自動運転車開発におけるテストや計測はまだ定まっていない部分が多いので、DMTSをデファクトにしたい」と、新市場開拓の切り札としてDMTSをアピールしたい考えを示す。「“実道路環境をどこまで台上で再現できるか”はチャレンジだが、DMTSは年間5セットの販売、2020年には50億円の売り上げを目指したい」(袋氏)
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企業戦略(自動車)
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