ジェイテクト
ジェイテクト安形社長「急速な完全電化は大げさ」ながら、電化を歓迎
話題の多い電気自動車だが、電動パワーステアリングで高いシェアを持つジェイテクトの安形社長はEV車の普及について2030年で10%程度だろうとし、その中でも「より自社の強みを生かせる」と主張する。
ホンダの欧州向け量産決定や第2世代「リーフ」の登場、トヨタら3社による新会社設立、異業種からの参入など話題の多い電気自動車(EV)だが、電動パワーステアリング(EPS)で高いシェアを持つジェイテクトの取締役社長 安形哲夫氏は完全EV車の普及について「2030年で10%程度」との調査結果を示しながら、自動車パワートレーンを巡る変化については「急速な完全電化ではなく、エンジンの小型化とモーターおよび電池の増加として理解するべき」と述べ、電化が進む中でより自社の強みを生かせると主張した。
2017年11月27日に開催した事業説明会にて、安形社長は主力事業の1つであるEPSや軸受、それに新規事業として開発中の耐高温キャパシターなどを紹介しながら、電化に対しては「全ての事業領域がEV化に対応し、事業機会を拡大できる」と自社の強みを強調する。
EPS事業で世界シェア25%を持つジェイテクトの2017年上期売り上げは6822億円だった。これは対前年比5.2%の増収であるが、「未実現利益・下流EPS立ち上げで為替効果を発揮できず」(同社)営業利益は352億円と対前年同期比1.8%の減益であった。ただ、2018年3月期通期予想は期初予想を上回る1兆4000億円まで上ブレする見込みだ。
ラックアシストEPSについては2019年にかけて花園(日本)、テネシー(アメリカ)、天津(中国)の3拠点生産体制を確立、加えて、欧州市場をにらんだモロッコでの生産開始(2020年予定)やインドでの生産拠点拡大(2箇所から9箇所)を進める。冨士機構の株式取得によるコラム事業の強化や、ADASや高出力EPS対応をにらんだソフトウェア開発拠点の立ち上げも同時に進めている。
軸受と工作機械/メカトロ事業については、生産拠点の再編とIoE(Internet of Everything)を推進する。国分工場は産業機器基幹工場としての見直し、亀山工場についてはグローバルハブモデル工場としての収益基盤構築とそれぞれのテーマを設けた取り組みを進めていく。無人化や省力化の推進は急務であると判断しており、それは軸受だけではなく自動車部品製造についても同様に対処していく。
自動運転や電動化といった新要素についても対応していく。特に電化については「ステアリングと駆動部品のジェイテクト、軸受の光洋精工、工作機械/メカトロニクスの豊田工機、全ての事業領域がEV化に対応し、事業機会を拡大できる」(安形氏)と、大きなチャンスとして捉えている。
具体的には、EPSの純粋な出荷増、インホイルモーターやFCV用バルブといった新規製品の需要増大、モーターの需要増に呼応する軸受の出荷増、さらにはFC関係設備やリチウムイオン電池用生産設備などが想定される。ジェイテクトは売り上げの約半分をEPSが占めており、事業バランスという観点から見ると軸受や駆動、それに工作機械の事業機会創出は大きなプラスになる。
事業機会創出のために新規事業への取り組みも進めているが、そのなかで大きな注目を集めているのが、耐高温のリチウムイオンキャパシターだ。元来はEPSの補助電源として研究開発していたものだが、85℃という高温環境でも動作するうえ、動作電圧を抑えれば100℃を越える高温環境でも動作する。
「(耐高温のリチウムイオンキャパシターは)自動車以外にも大きなビジネスチャンスになる。小さなクルマならメイン電源としても使えるぐらいなので、鉄道会社からも問い合わせがある。それに、電源冗長化手段としても引き合いが強い」(安形氏)
同社では自動車以外にも、建設機械や燃料電池、太陽光発電、通信用機器、フォークリフトなどにおいて耐高温リチウムイオンキャパシターの需要があると考えており、将来の成長を見すえた事業として注力する考えだ。
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