沖縄モノづくり新時代(9)
文化財に触れる楽しみを3Dで――受託開発の殻を破った新提案で地域貢献(3/3 ページ)
しっかり形にしないといけない――試行錯誤の開発作業
筆者 納品物の開発はスムーズに進みましたか?
国建システム担当者 苦労したのは、開発に関する情報収集や、3Dモデリングデータの作成です。
例えば、今でこそLeap Motionのモーションセンサーは通販サイトで一般の人でも購入できますが、開発をしていた当初はまだ情報が少なく、デバイスの調達や情報収集に苦労した覚えがあります。
また、3Dモデリングも初めての作業でしたから、試行錯誤の連続でした。まず、3Dスキャナーを購入し、3Dデータを作成しましたが、うまくいきません。問題なく3Dデータを作成できたものもありますが、薄い大皿のような平面的なものは、3Dデータをうまく作成できませんでした。
購入した3Dスキャナーは最大30センチの物体に対応していましたが、中城村から依頼された文化財には30センチを超えるものがあり、購入した3Dスキャナーだけでは不十分でした。最終的に、3Dデータの作成には、Autodeskが提供している3Dソフトウェアを使うことにしました。このソフトウェアを使えば、スマートフォンで撮影した複数の画像データから3Dモデルデータを作成することができます。
護佐丸歴史資料図書館に納品する開発については、3D画像プロジェクションシステム以外のコンテンツも含め、2015年9月ごろから始まり、2016年2月に終わりました。
筆者 今後の展望を聞かせてください。
国建システム担当者 新しい技術を使って何かやりたい、独自の自社製品やサービスを開発したいという有志の集まりから始まり、それが3D画像プロジェクションシステムや近距離無線通信技術「iBeacon」を採用したサービスの開発につながりました。例えば、iBeaconを利用した屋内ナビゲーションシステム「ポケットガイド(Pocket Guide)」や、電子見守りシステム「ケアレア(CareArea)」の事業化などにつながっています。これからも、システムの受託開発という枠から一歩踏み出し、新しい技術に注目していきたいと考えています(図4)。
筆者からのメッセージ:「地方×モノづくり」で課題解決、魅力発掘!
エンジニアリングやモノづくり分野の技術進化が、今まで以上に地方の課題解決や、魅力発掘の後押しとなる――。このような考えの下、「沖縄モノづくり新時代」と題した本連載では、沖縄という地方を例に、モノづくり/エンジニアリング技術を活用し、地方が抱えるさまざまな課題の解決に取り組む事例や、地方の魅力を掘り起こしていく事例に焦点を当てていく。
漁業や農業、林業といった第一次産業のみならず、観光・サービス業などさまざまな領域に深く関わり、地方の活性化を下支えするモノづくり/エンジニアリングの話題に注目してほしい。
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沖縄モノづくり新時代
エンジニアリングやモノづくり分野の技術進化が、今まで以上に地方の課題解決や魅力発掘の後押しとなる。本連載の主役は、かつて“製造業不毛の地”といわれていた沖縄だ。
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