パナソニック モノづくり革新センター
機械と人の融合が可能にした最高画質、4K有機ELテレビはこうして作られる(2/2 ページ)
TH-65EZ1000の生産工程は大まかに分けて、「基板の実装」と「組み立て」に分けられる。前者はデジタルチューナーやヘキサクロマドライブPLUSをはじめとした半導体部品など1500点以上の部品をプリント基板に取り付ける工程、後者は有機ELパネルやプリント基板などを組み立てて製品として作り上げる工程となる。
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自動化された実装工程、最後は目視の確認
実装工程は基板へのナンバリング、ハンダの塗布、部品の実装、ハンダの除去、検査となり、微細な部品が多いこともあって基本的には自動化されている。また、実装機の多くはパナソニックの自社開発製品である。
前述したように実装工程は基本的に自動化されており、作業員は必要な部品の補充やトラブル時の対応が主業務となる。自動化は実装完了後の検査にも及んでおり、レーザー光を使った外観検査が導入されている。しかし、レーザー光による外観検査は「大きめのマージン」(同社)がとられていることもあり、最終的には熟練作業者の目視点検を経ての完成となる。
暗幕の中での目視チェック
基板が完成したら組み立て、エージング、動作チェック、梱包の4工程からなる組み立て工程に入る。液晶テレビに比べ、エージングや目視による各種チェックによる品質(画質)担保がより厳格に行われるため、1台の完成には液晶テレビの2倍、約1時間を要する。なお、現在の生産能力は1日あたり235台だ。
組み立てにおいては届けられた有機ELパネルを取り出してラインに乗せ、基板やスピーカー、バックパネルなどを装着していく。現在は台座部品に組み立てに双腕ロボットが試験運用されているが、これは恒常的なのではなく、まだ有用性の検証という段階である。ご多分に漏れずこの工場でも人手不足と後継者不足への対策を求められており、ティーチングの必要があるにしても、双腕ロボットの導入は魅力的に映るという。
各部品が取り付けられるとエージングとチェックになる。検査装置によるチェックも行われるが、最終的な画質チェックは匠が目視にて行う。わずか1台当たりの目視検査時間は6秒であり、1台当たりにすると短く思えるが、集中力の必要とされる業務であることは容易に想像できる。
画質チェックと並んで画面の反りなども確認され、全てにおいて問題がないと判断された製品は梱包作業の後に出荷される。約27キロあるTH-65EZ1000の梱包は本当の最終チェックも兼ねており、二人がかりで行われる。
「JAPAN PREMIUM」
モノづくり革新センターはパナソニックのテレビ生産において、非常に重要な意味を持つ。それは単なる生産拠点ではなく、生産技術と技能の研究・発信拠点でもあるからだ。双腕ロボットの導入検証しかり、モノづくり道場による人材育成しかり。「安く」「速く」「大量に」生産する以外の付加価値をどのように生み出していくかの試行錯誤が詰まっているマザー工場なのである。
振り返ると、日本の製造業にとって「拠点」は悩ましいものであった。安価な人件費を求めた海外移転が盛んだった時期もあるが、近年では現地に即したモノづくり、つまりは使う人に合わせたモノづくりを重視する流れが強くなっている。その中で、日本国内に拠点を構える意味をどう考えているのか。
板東所長は「日本でモノづくりをしていく中で付加価値をどう生み出すかを考えると、自動化を進めるという結論には結び付きにくい。日本製テレビとしての価値を打ち出すためにまだできることはあるし、その価値を訴求していきたい。人と機械の共同作業で“品位”を作り出していきたい」とモノづくり革新センターの持つ価値の一側面を表現する。
TH-65EZ1000は「ビエラ史上最高画質」として訴求されるモデルだが、もう1つのキャッチフレーズが「JAPAN PREMIUM」だ。日本ならではの価値創造をカタチとするため、モノづくり革新センターが担う責務は重い。
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