TechFactory通信 編集後記
誰でも産業用ロボットが作れる時代に!?
新規参入も夢ではない?
日本企業が世界トップシェアを誇る分野の1つが、「産業用ロボット」市場です。有名どころでは、ファナック、安川電機、川崎重工業、不二越などの企業が挙げられます。これら企業の産業用ロボットが国内のみならず、世界中のさまざまな産業分野で使用されています。
産業用ロボットの利用状況を産業分野別で見てみると、「製造業」での利用が大半を占めており、製造業の他、医療、小売といった注目産業での利用拡大から市場のさらなる成長が期待されています。また、地域別では日本を含むアジア太平洋地域がロボット関連市場をけん引していくだろうという予測が調査会社から発表されています。
このように、引き続き有力な市場である産業用ロボット分野ですが、自動車分野と同じく新規参入がしづらいという領域でもあります。前述した有力企業は長年産業用ロボットの開発、販売を手掛けており、技術力だけでなくさまざまな知見、ノウハウを保有しています。新規参入企業が有力企業と同等性能、品質の産業用ロボットを短期間で市場投入することは非常に難しいといえるでしょう。
しかし、このある種“閉じられた”産業用ロボット分野に、一石を投じる(かもしれない)成果発表が行われました。
誰でも産業用ロボットが作れる時代に!?
ソフトウェア技術やモデルベース開発に強みを持つ豆蔵が、ロボット工学の知見を持つ東京農工大学 工学研究院 先端機械システム部門 教授 遠山茂樹氏とともに、「産業用ロボットアームの開発期間を短縮する設計手法の実用化に関する成果」を発表したのです。
詳細は後日掲載のニュース記事で紹介しますが、この手法を用いることで、従来産業用ロボットアームの新規開発で3年程度要していたものが、半年程度で開発できるというのです。ポイントは3D CADモデルと解析(CAE)、部品選定のサイクルをコンピュータ上で回しながら最適化を行い、モデルの精密さを上げていき、実機レスで要求性能、品質に近づけていくことにあります。この手法により、1回で3~4カ月程度かかるといわれる実機試作の回数が大幅に低減できるといいます。つまり、開発コストの削減にも貢献できるということです。
実際、この手法を用いて産業用ロボットアームの開発をしたところ、わずか2回の実機試作で量産機と同等性能のロボットアームを開発できたそうです。これを受け、豆蔵と東京農工大学の遠山教授は「これまでメーカーごとに暗黙知となっていたロボットアームの開発プロセスを形式知化したことで、今後、新規参入メーカーでも短期間で競争力のある産業用ロボットアームの開発が行える」としています。
この設計手法については、今後、開発支援やコンサルティングサービスという形式で豆蔵が展開していく予定だそうです。また、豆蔵自身も産業用ロボットを戦略的注力事業に位置付けており、「今回構築した設計手法や新たに得たノウハウを入れ込んだオリジナルの自社ロボットを開発するといった展開もあり得るだろう」(豆蔵 代表取締役社長 中原徹也氏)といったコメントも飛び出しました。
今回の成果発表で示された理想の通り、産業用ロボットを手掛ける新規参入企業が今後生まれてくるのか? はたまた豆蔵が自ら産業用ロボット界に打って出るのか? 気になるところです。
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TechFactory通信 編集後記
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