IIoT時代にこそ、日本のモノづくりが世界で強みを発揮する(3)
ガラパゴス化しつつある日本の製造業、取り残されるプログラミング言語(2/3 ページ)
プログラミング言語がガラパゴス化する日本
一度広く普及したラダー言語を国際標準規格の言語に変更することは、これまでのプログラム資産やエンジニアの再教育を考えると並大抵の努力では実現しない。ましてや安定稼働が何より重要なモノづくりの現場において、さらには品質をあまりにも重要視する日本が、このような変化を先送りすることは十分に理解できる。また逆に、エンジニアたちがラダー言語に熟練化していくことで、ラダー言語のみで何とかやってこられたという現実もある。どの企業も、将来の生産設備の姿を描く部門の人たちは大きな変化が必要であると理解しているものの、現場のエンジニアたちの反発に対してうまく説得できない……というのが現状ではないか。
ガラパゴス化するもう1つの理由は、やはりコントローラーメーカーの顧客の抱え込みも影響していると考えられる。“メーカー依存の方言”がラダー言語には多く存在するため、ユーザーは一度特定メーカーのラダー言語を習得すると、他のメーカーを採用するのが極めて困難になる。一度大きなシェアを獲得したコントローラーメーカーにとって、標準化したオープンな言語をあえて採用する必要はないのである。前回紹介したフィールドバスによるメーカー依存と同等に、ラダー言語によってもメーカー依存が起こっているのである。
その結果として、ある国内企業と共同でプロジェクトを行った海外企業が漏らした一言が印象的である。
日本の企業と一緒に仕事をしたが、この部分をラダーで記述していて信じられなかった、職人芸だったよ。他の言語を使えば一瞬で書き上げられるのに……。
この一言が今の国内の現状を分かりやすく説明しているであろう。
ますます加速するソフトウェアの複雑化
1970年代に第3次産業革命によってPLCが生産現場に導入されはじめて以降、生産設備開発に占めるソフトウェアの開発コストの割合は、機械設計や電気設計と比べて高まる一方となっている。2000年の段階においては生産設備開発費用の40%がソフトウェア開発に充てられている。今後、IIoT化を推し進めることがこれのさらなる増大を招くことには疑いの余地がない。この現実に対して、ラダー言語でシステム全体をベタ書きする状況はどこかで行き詰まるのではないだろうか。
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IIoT時代にこそ、日本のモノづくりが世界で強みを発揮する
IoT、インダストリー4.0がこれほどまでに盛り上がり続けるのは、その将来像への賛同だけではなく「現時点で材料となる技術はそろっていて、決して夢物語ではない」と多くの人が感じているためである。日本のモノづくりは改善を重ねることで着実に世界をリードしてきたが、第4次産業革命で求められる非線形なモノづくりの進化をリードしていくためには、「製造現場のガラパゴス化」を解消することが急務だ。本連載では、日本のみならず世界的に盛り上がりを見せるIIoTの技術で製造業はどう変化していくのか、日本の製造業がその変化に追従していくためのボトルネックとなる国内製造業のガラパゴス化について解説する。
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