戦略コンサルの論考を変革のヒントに(3)
B2B向けIoT市場、プロバイダーが避けるべき“5つの落とし穴”(2/3 ページ)
2.利益の創出源が不明確
IoTビジネスを商材ごとに見てみると、高い売り上げを創出できる商材と、利益を確保しやすい商材は必ずしも一致しません。ベイン・アンド・カンパニーがさまざまなレポートを基に分析した結果、2020年においてIoT市場で生み出される利益のうち4分の3は、クラウドとアプリケーション、データ分析、ネットワーク、システム統合などの商材によるものでした。
ウェアラブル端末やドローン、スマートウォッチといった消費者向けハードウェア製品はIoTの象徴的存在として話題を集めますが、長期的に見ればIoT市場の利益は多くがエンタープライズ向けと産業向けのソリューションから創出されるようになるわけです。
ベイン・アンド・カンパニーは、このようにIoT商材の売り上げと利益の比率がいびつになる理由の1つとして、一部の大手企業の動きを挙げています。すなわち、そうした企業は消費者向けIoTハードウェアが安価に市場へ供給されるよう資金的な援助をしつつ、そのハードウェアを介したデータサービスやデータ分析サービスで利潤を確保しているからだと指摘します。
そうした大手企業は表に名前が出ない場合があり、IoTプロバイダーは自社の競合をスマートデバイスなど目に付きやすい商材のメーカーだと捉えてしまいがちです。しかし、デバイスはより大きな利益を生むサービス商材の入り口にすぎないと認識し、自社のソリューションにも高利益源としてそうしたサービス商材を組み込むべきでしょう。
3.統合をユーザー任せにしてしまう
これはIoT市場に限った話ではないかもしれませんが、ベンダーは自社の製品やサービスをユーザーがうまく統合してくれないかと期待しがちです。しかし、ユーザーにとって統合という作業は、特にIoTのように立ち上がったばかりの領域では、大きな導入障壁になります。そこでベンダーは、あらかじめ統合したパッケージ型のソリューションを提供することで、自力では統合や相互接続性の確保ができないユーザー企業にも売り込めるようにしなければなりません。
例えば米GEは、クラウドベースの産業インターネットプラットフォーム「Predix」をジェットエンジンや風量タービンといった自社製品に追加するとともに、実装をシンプルにするためのパートナーシップも構築しました。具体的には、システム統合のAccenture、クラウドサービス事業者のAmazon Web ServicesおよびMicrosoft Azure、アプリケーションプラットフォームのPivotalと手を組みました。
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戦略コンサルの論考を変革のヒントに
大企業の上級役職者や経営企画室メンバーでもなければ、仕事で関わる機会がほとんどない戦略コンサルティング企業。でも、モノづくり業界の皆さんにも役立つ論考や調査レポートを、実はたくさん発信しているのです。そうした情報を筆者がピックアップして紹介する連載。
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