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距離を縮めるクルマとオープンソース、車載Linux「AGL」の現在地:Automotive Linux Summit 2018(2/3 ページ)
「固い」自動車業界とLinuxを始めとした「柔らかい」オープンソースソフトウェア(OSS)の距離が縮まっている。その代表格が車載Linux「AGL」だ。AGLのイベントにはAGL開発側だけではなくトヨタなど自動車メーカーも登場し、どうやってOSSを活用していくかを紹介した。
AGLを介して幅広い業種、幅広いサービスとの連携を
カーメーカー側も積極的にAGLに取り組んでいる。別記事(メルセデスが商用バンに車載Linux「AGL」採用、トヨタは「AGL前提」へ)で紹介している通り、今回のカンファレンスに合わせ、メルセデスベンツの商用車部門がオンボードOSの基盤としてAGLを採用することを発表した。
メルセデスベンツの商用車部門であるMercedes-Benz VansのThomas Wurdig氏は「オープンソースソフトウェアの力を活用することで、品質を向上させるとともに、市場に出すリードタイムを短縮させることが狙いだ」と述べている。また、一足先にAGLのサポートを表明し、2017年7月にモデルチェンジしたカムリの車載情報機器でAGLを採用したトヨタ自動車では、今後、AGL搭載のモデルを増やしていく方針だ。
トヨタ自動車の村田賢一氏(コネクティッドカンパニー コネクティッド戦略企画グループ プロジェクトゼネラルマネージャー)は基調講演の中で、車のデータを収集し、匿名化した上でAIも活用しながら分析することによって、次の開発やマーケティング活動に生かしたり、ディーラーのメンテナンスを最適化したり、あるいは故障予測につなげるといったさまざまな未来像を紹介した。
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