Audiが「Stratasys J750」を導入、テールライトカバーの試作時間を最大50%削減:3Dプリンタ導入事例
ストラタシス・ジャパンは、独Audiのプレシリーズセンターが設計プロセスの革新と設計検証の迅速化を目的に、フルカラー&マルチマテリアル3Dプリンタ「Stratasys J750」の導入を決定したと発表した。
アウディが新車生産前のプロトタイプ製作に3Dプリンタを活用
Stratasysの日本法人であるストラタシス・ジャパンは2018年6月12日、独Audi(アウディ)のプレシリーズセンター(バイエルン州インゴルシュタット)が、設計プロセスの革新と設計検証の迅速化を目的に、フルカラー&マルチマテリアル3Dプリンタ「Stratasys J750」の導入を決定したと発表した。
◎「3Dプリンタ」関連記事 〜導入・活用事例、課題、市場、解説〜 など:
» 事例:エポック社が「シルバニアファミリー」の製品開発で実践する3Dモノづくり
» サントリー、ペットボトル容器の試作リードタイム短縮に3Dプリンタを活用
» “3Dプリント樹脂型+切削加工”でさらに高品質な試作、小ロット生産が可能に
» 3Dプリンタ市場は「終わった」のか?
アウディでは新車生産前に、プレシリーズセンターで対象車種の物理モデルとプロトタイプを作成し、新しいデザインとコンセプトの全体的な評価を行っている。そのため、製品開発の初期段階でホイールカバー、ドアハンドル、フロントグリルといった大半のパーツの割り当てをしておく必要があり、一般的には成形や切削などの従来手法でプロトタイプ製作が行われていた。
テールライトカバーにおいても、従来は切削や成形などの手法で個々のパーツを作製。マルチカラーのテールライトカバーは単一パーツとして作ることができず、それぞれ異なるカラーの複数パーツを作製し、組み立てる必要があった。このように、従来手法では大変な手間と時間がかかるため、設計検証が長引いてしまい、結果として製品化の遅れにもつながっていた。
切削や成形による手間を解消し、迅速な試作・製品化を実現
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
エポック社が「シルバニアファミリー」の製品開発で実践する3Dモノづくり
玩具業界でも本格化する3Dツールを活用したモノづくり。総合玩具メーカーのエポック社でも、同社を代表する製品ブランドの1つ「シルバニアファミリー」の開発において、3D CADやフルカラー3Dプリンタを活用した“3Dモノづくり”に取り組んでおり、意思決定の迅速化やリードタイムの短縮といった成果が出始めているという。ECCOが3Dプリンタでミッドソールをカスタマイズできる期間限定サービスを展開
ECCO(エコー)は、3Dプリンタを用いてシリコン製ミッドソールをカスタマイズできる「QUANT-U カスタマイゼーション・プロジェクト」を発表した。サントリー、ペットボトル容器の試作リードタイム短縮に3Dプリンタを活用
サントリーMONOZUKURIエキスパートは、清涼飲料用ペットボトル容器の試作開発において、StratasysのPolyJet方式3Dプリンタ「Objet Eden 260VS」を採用。3Dプリンタ製樹脂型を用いた加工技術「デジタルモールド」による試作のリードタイム短縮に乗り出し、ペットボトル容器の試作評価期間の大幅短縮に成功したという。“3Dプリント樹脂型+切削加工”でさらに高品質な試作、小ロット生産が可能に
3Dプリンティング技術展「3D Printing 2018」に出展したストラタシス・ジャパンは、StratasysのPolyJet 3Dプリンタで製作した樹脂型を用いた加工技術「デジタルモールド」のさらに進化した活用法を提案。新たに“型切削”のプロセスを加えることで、意匠面にこだわった試作、小ロット生産のニーズに応える。本稿では、その仕上がりの違いについて画像を交えて紹介する。36万色フルカラーの第3世代マルチマテリアル対応「3Dプリンタ」国内販売開始
ストラタシス・ジャパンは、マルチマテリアル&フルカラー対応のハイエンド3Dプリンタ「Stratasys J750」の国内販売開始を発表。実機によるデモンストレーションを、「第27回 設計・製造ソリューション展(DMS2016)」で披露した。