富士通など3社、AI予測モデルを用いた日本酒造りの実証実験を開始:日本酒「獺祭」を醸造
富士通は、旭酒造および富士通研究所と共同で、富士通研究所が開発した日本酒造りを支援するAI予測モデルを用いた実証実験を実施すると発表した。
富士通は2018年4月、旭酒造および富士通研究所と共同で、富士通研究所が開発した日本酒造りを支援するAI予測モデルを用いた実証実験を実施すると発表した。AIを活用し、旭酒造が製造・販売する日本酒「獺祭(だっさい)」の醸造に取り組む。
◎「製造業AI/ビッグデータ」関連記事 〜導入・活用事例、課題、市場動向〜 など
» 日本企業は「データリテラシー」が足りない
» 「ビッグデータ」「データアナリティクス」「AI」は製造業に何をもたらすのか?
» AIを活用した故障予知は課題も多く、緩やかなペースで進展
» AIによる予兆保全は2018年「成長期」へ
このAI予測モデルは、旭酒造の過去の醸造に関するデータや生物学的プロセスなどの知見を基に、日本酒醸造のプロレスを定義した数理モデルと、獺祭の醸造工程で計測されるデータを用いた機械学習を組み合わせた。これにより醸造プロセスをサポートする情報を算出でき、これを活用することで醸造工程で使用する機器の最適な制御が可能になるという。
実証実験では、実際の醸造工程で同AI予測モデルを適用する。同工程におけるAI予測モデルの妥当性、実用性を検証し、同時に精度向上を目指す。実証実験は、同年4〜6月までを予定している。
富士通らは今後、当実証実験で得られた成果を通じて、高品質かつ均一な日本酒造りに向けた日本酒醸造工程でのAIの実用化を進める。
◎併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
» 「カイゼン」を中心にデータ活用が進む製造業、課題はROIと人材
» 77.3%が“つながる工場”実現に向けて取り組みを開始――経営層も投資に意欲
» PTCはIoTベンダーになったのか? CAD、PLMユーザーに向けたメッセージ
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 設備機器のAI異常診断学習モデルをAPIで提供、利用料金は月額10万円から
スカイディスクは、故障予知や検品作業の効率化を目的とした設備機器のAI(人工知能)異常診断学習モデルをAPIで提供すると発表した。 - 分析業務の自動化を実現するAIフレームワーク、航空機部品製造で効果を実証
NTTデータは、企業におけるAIを活用した分析業務の自動化を実現する、分析オペレーション自動化フレームワーク「AICYCLE」を開発した。2018年1月から正式提供を行う。 - 20分後の未来の製品品質を高精度で予測する技術
NTTコミュニケーションズと三井化学は、人工知能(AI)技術を活用することで、ガス製品製造過程における製品品質の高精度な予測に成功したことを発表した。 - あえてのサーバ水没でAIを加速、データ機密が重要な製造拠点にも
製造業においてもディープラーニングは注目されているが、機密性の高い製造データを扱う際にはオンプレミスでの実装が要求される。富士通のZinraiディープラーニング システムはこうした要望に応えるもので、オプションで「液浸」も用意されている。 - スカイディスクがスマート工場化を支援するAI簡易診断パッケージを提供
スカイディスクは工場内データを分析し、AIによる業務効率化に使用できるデータかどうかを簡易診断する「スマートファクトリー化向けAI簡易診断パッケージ」の提供を開始した。