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「時速160キロで急ハンドル」を再現できる、実車を使ったテストシステム:東陽テクニカ DMTS(1/2 ページ)
高度化する自動車の開発に、テストと検証は追い付いていないように見えてしまう。そこで注目されるのが、単体テストとテストコースでの実走行の間を埋める「ハンドルを切れるシャシーダイナモ」だ。
自動車の歴史は高機能化の歴史ともいえる。変速機はMTからATとなり、“重ステ”はパーワーステアリングに、燃焼噴射はキャブレターから電子制御に置き換わった。そしていま、自動ブレーキや自動車線維持などといったADASの実装も一般的になりつつある。
こうした車両の高度化は開発の長期化と複雑化を招くが、これと同様、もしくはそれ以上に問題となるのがテスト時間と人員の確保だ。人命を預かる自動車開発においてテストは重要な役割を担っており、本来であれば十分な時間と手間をかけて行われるべきである。しかし、開発競争や短納期化といった要求の影響を受けやすいのもまたテストである。
これまでの車両開発において(単一の機能ではなく)、コーナリングや自動運転といった要件を試すにはテストコースに車両を持ち込むか、許可を取った公道での実証実験しかなかった。東陽テクニカのシャシーテスト「DMTS(Driving & Motion Test System)」は、単体テストとテストコースでの実走行の間を埋める存在として注目されており、その実機が公開された。
ラボで限りなく実走行に近い環境を
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