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CAN通信デバッグ搭載、車載組み込みソフトの開発時間を削減するエミュレータ:ルネサス エレクトロニクス E2エミュレータ
ルネサスが車載マイコン「RH850」などに対応したエミュレータを投入。制御プログラムダウンロードの高速化やCAN通信デバッグ機能の搭載により、開発時間を大幅に削減する。
ルネサス エレクトロニクスは2017年2月9日、同社マイコン向け開発環境としてオンチップデバッギングエミュレータ「E2エミュレータ」を開発、販売を開始した。まずは同社車載向けマイコン「RH850」に対応し、同年7月以降に「RX」や「RL78」、各種SoCにも対応していく予定としている。
ADASに代表される先進技術や燃費制御技術の実装により、車載制御の電子化が進む中、ECUに内蔵されるマイコン制御プログラムのサイズは増加しており、また、そのECUの数も車両1台当たり数十に及ぶため、ECU間を結ぶ車載ネットワーク制御もより複雑になっている。
開発に際してプログラムを修正するためには、エミュレータからマイコンへプログラムをダウンロードする必要があるが、プログラムの肥大化によりダウンロードの時間そのものが長くなり開発時間の増大要因となっている他、CAN通信制御のデバッグにはアナライザの併用が一般的だがアナライザとエミュレータは連動していないことが多く、問題の特定と評価に時間を要する原因となっていた。
新開発されたエミュレータ「E2エミュレータ」は「制御プログラムダウンロードの高速化」「CAN通信デバッグ機能の搭載」といった特長を持ち、「開発期間を最大1/10に短縮」(同社)する。
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