最大60VのハイサイドNチャネルMOSFETドライバ:ADI LTC7003
アナログ・デバイセズ(ADI)は、最大60Vの電源電圧で動作する、高速ハイサイドNチャネルMOSFETドライバ「LTC7003」を発売した。内蔵のチャージポンプにより、100%のデューティサイクルを可能にした。
アナログ・デバイセズ(ADI)は2017年7月、最大60Vの電源電圧で動作する、高速ハイサイドNチャネルMOSFETドライバ「LTC7003」を発売した。内蔵のチャージポンプによって外付けのNチャネルMOSFETスイッチを完全に導通させ、オン状態を無期限に保つことができる。これにより、100%のデューティサイクルを可能にした。
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入力電源電圧は3.5〜60Vで、ドライバ電源範囲は3.5〜15V。グランド基準の低電圧デジタル入力信号を受け取り、グランドよりドレインが60V高くなるハイサイドNチャネルパワーMOSFETを高速で駆動できる。
外付けMOSFETスイッチのドレインに直列接続した外付け検出抵抗の両端電圧をモニターすることで、過電流状態を検出する。一定のオフ期間およびクールダウン時間の経過後、自動的に再試行する。
1000pFの負荷駆動時の立ち上がり、立ち下がり時間は13ナノ秒で、スイッチング損失を最小限に抑えることができる。また、1Ωのプルダウンと2.2Ωのプルアップにより、高速ターンオン、ターンオフ時間が可能になった。ゲート容量の大きいMOSFETを短い遷移時間と伝播(でんぱ)遅延で駆動できるため、高周波数スイッチングと静的なスイッチのどちらの用途にも活用が可能だ。
動作温度は、−40〜125℃の温度拡張および産業用グレード、−40〜150℃の車載グレード、−55〜150℃の軍事用グレードをそろえた。1000個購入時の参考単価は2.30米ドルから。MSOP-16パッケージで供給する。
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