GaN半導体をベースとした三相インバーター:日本TI TIDA-00915
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、GaN(窒化ガリウム)半導体をベースとした三相インバーターのレファレンスデザイン「TIDA-00915」を発表した。GaNパワーステージ「LMG3410」を搭載し、24kHz時に99%以上の高効率動作を可能にした。
シリコンFETの5倍までの速度でスイッチング
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2017年6月、GaN(窒化ガリウム)半導体をベースとした三相インバーターのレファレンスデザイン「TIDA-00915」を発表した。FETやゲートドライバ、保護機能を集積したGaNパワーステージ「LMG3410」を搭載し、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)周波数100kHz時に98%以上、24kHz時に99%以上の高効率動作を可能にした。
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同レファレンスデザインに搭載するLMG3410は、シリコンFETの5倍までの速度でスイッチングが可能で、最小限の電流リップルで低インダクタンスのモーターを駆動できる。日本TIのドライブ制御SoC(System on Chip)「TMS320F28379D」などのマイコン製品と接続でき、電圧周波数の調整や高速の電流ループ制御に対応。スイッチノードの電圧リンギングなしで、25ナノ秒以下のスイッチングとEMI(電磁妨害)低減を可能にした。
他に、同社の絶縁型デルタ-シグマ型モジュレータ「AMC1306」も複数搭載。電流センシングにより、モーター制御性能が向上している。また、デジタルアイソレータ「ISO7831」により、三相インバーターのレファレンスデザインに搭載された6個のPWMとマイコンとの間に強化絶縁機能を提供する。
同レファレンスデザインは、同社のサイトからダウンロードが行える。
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