連載
組み込みで「CNNによる推論という手法は定着する」といえる理由:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)
AIの中で「CNN(畳み込みニューラルネットワーク)」はAlphaGoのような華々しい事例もあり依然として注目されている。それはエレクトロニクス/組み込みベンダーも同様であり、CNNによる推論という手法は定着するといえるだけの理由がそろっている。
今月はAI絡みの話をちょっとご紹介したいと思う。AIにもいろいろあるが、今回取り上げるネタは主に「CNN(Convolutional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)」だ(「DNN(Deep Neural Network)」や「深層学習」などと表現することもあるが、指しているものはほぼ同一なので以下CNNで統一する)。
CNNが学会で急に注目されるようになったのは2012年、そのCNNを利用して、「一般人に見える形」での成果が出始めたのが2015年頃からである。もともと2012年にCNNが大きなブレークスルーを実現したのが画像認識の分野だったこともあり、CNNも画像認識分野を中心にアプリケーションへの応用が進んでゆく。といっても、CNNそのものは本来汎用というか、何でもありの世界であり、実際GoogleのAlphaGoのような分野の応用例もあるから、あとはネットワークの構造と学習データ次第という話ではあるのだが。
CNN関連製品が大量に登場している理由
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「畳み込みニューラルネットワーク」の基礎を知る
「畳み込みニューラルネットワーク」とは何でしょうか。学問の世界から現実の世界に登場しつつあるこれは、さまざまな組み込みシステムに利用される可能性が高く、大いに関心を持つべきです。 - 本気で「AIマーケット」を狙う半導体ベンダー
IoTが招く「データの爆発」にAI(ディープラーニング、DNN)で対応する動きが本格化しており、組み込み機器におけるDNNの推論(実行)を担う半導体チップの競争も激化の様相を呈している。 - 組み込みAIを加速させるARMの画像処理プロセッサ
ARMが高精細画像処理や機械学習に適したハイエンドの画像処理プロセッサ「ARM Mali-C72」を発表した。機械学習については既存製品比で「効率性を17%向上」させる。 - インテルとAIとFPGAの関係、「組み込みAI」普及の施策
人工知能(AI)は組み込みの世界にとっても、無関係な存在ではなくなりつつある。FPGA大手を傘下に収めたインテルの考える「AIとFPGAの関係」とは。 - 稼働中の産業機器にAIを「追加」で実装、組み込みAIを実現
新規ではなく「追加」で、人工知能による予防保全を実現するソリューションをルネサスが発表した。組み込み機器でのAI利用を容易にする「e-AI」によるものだ。 - AI時代に舵を切る半導体ベンダーの「持ち札」
日の丸半導体ベンダー、ルネサスが攻勢の兆しを見せている。17年度第1四半期決算は好調でありインターシルの買収も終了した。5年ぶりに開催したプライベート展で語られた、攻勢を支える「持ち札」とは何か。