連載
Appleの通告は「MIPSの終わり」の始まりか:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)
AppleによるImaginationへのIP利用停止宣言は、1981年に産声を上げた「MIPSアーキテクチャ」の終わりを告げるものとなる可能性を秘めている。MIPSの歴史をひもときながら、その行く末を考察する。
2017年4月にAppleがImagination Technologiesに対して通告したIP利用中止の余波を受け、翌月にImagination Technologiesは同社の傘下にあったMIPS部門などの切り離しを決定するものの、それだけでは生き残れないと判断したのか、6月には全社売却の決断をしたと報じられている(Imaginationが身売りへ、Appleの取引停止宣告余波)。
折りしもAZCAの石井正純氏による記事(MIPSコンピュータをめぐる栄枯盛衰 )が掲載されていることもあるので、Imagination Technologies全体の話はまた別にして、今回はそのMIPSについて触れてみたい。
◎おすすめホワイトペーパー
エレクトロニクス
数奇な運命をたどるMIPS
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- WannaCryがあぶり出した「XP」との長くなる付き合い
猛威を振るったランサムウェア「WannaCry」はWindows OSの脆弱性を利用したもので、Windows XPベースで駆動するATMやPOSにも多数の被害をもたらした。そこからあぶり出されたのは、まだまだ続くXPとの付き合いの長さである。 - 本気で「AIマーケット」を狙う半導体ベンダー
IoTが招く「データの爆発」にAI(ディープラーニング、DNN)で対応する動きが本格化しており、組み込み機器におけるDNNの推論(実行)を担う半導体チップの競争も激化の様相を呈している。 - 群雄割拠のLPWA、2016年度は「種まき」のタイムリミット
IoT向け通信技術として注目を集めている「LPWA(Low Power Wide Area)」だが、複数の規格やサービスが登場しておりさながら群雄割拠の様相を呈している。本格展開はいずれも行われていないが、既に生き残りを賭けた争いが始まっている。 - インターシル買収完了、後戻りできなくなったルネサス
インターシル買収を進めていたルネサスが、その完了と時を同じくして各方面の動きを活発化させている。その動きの理由をインターシルの財務諸表から読み解く。 - Siemensが目指す「エコシステム」の構築
Mentor Graphicsを買収した独Siemensだが、Mentor以外にもさまざまな企業と提携し、単一的な事業構造とならないよう留意している。Bentley Systemsとの電力分野における提携もその1つだ。