エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は、GlobalFoundriesがIBMを提訴した件とTSMCの3nmプロセス「N3」にまつわる話題について紹介する。
2023年4月のエレクトロニクス/組み込み業界は、あまり大きな動きは無かったように思うが、細かい話はいろいろ出てきたので、まとめてご紹介したいと思う。
2023年4月19日、GlobalFoundries(GF)はIBMを企業秘密漏えいで訴えた事を明らかにした。この際に、漏えい先としてIntelおよびRapidusの名前も挙がっている。なんでこんな事になったのか? というのは時系列を追って見ると分かりやすい。
(1) 2014年10月、IBMはGFにFabおよびIPを譲渡し、かつ15億ドルを支払う。その見返りに、GFはIBMに対し22nm/14nm/10nmプロセスのサーバ用プロセッサを独占的に供給する(関連記事)
(2) 2016年2月、GFとニューヨーク州立工科大は共同で研究開発センターを設立、7nmプロセス以降で利用されるEUV露光装置の導入を進めると発表(関連記事)
(3) 2018年8月、GFは7nmプロセス開発の無期限停止を発表(関連記事)この時、同社は「われわれの大口顧客からの7nmチップの需要はない」(関連記事)としていた
(4) 2018年12月、IBMはSamsungと戦略的パートナーシップを締結。IBMのサーバ用チップの生産委託も発表
(5) 2021年5月、IBMはGFをプロセス開発の契約を不履行として25億ドルの損害賠償を提起(関連記事)
(6) 今回の反訴
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