エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は、2月に入って急速に認知度が拡大したChatGPTと、その膨大な計算量を支えるクラウドやAIプロセッサについて考察する。
2023年2月で外せない大きなトピックに、ChatGPTを挙げても異論のある方は少ないだろう。ChatGPTのリリースそのものは2022年11月末で、そこからわずか5日で100万ユーザーを超え、2カ月で1億ユーザーに達したというから、なかなか凄まじい勢いである。日本では2月に入って急速に認知度が拡大し、多くのユーザーが試してはその結果をSNSに上げていたりするので、ご覧になった方も多いかと思う。
ChatGPTそのものはまだ実験段階というか、十分に学習していない項目に対しては平気でうそをつく(図1)あたりは、実用に耐えるのか? と言われると怪しいわけだが、きちんと学習をさせた場合、2023年1月17日にペンシルバニア大学ウォートン校の研究結果によれば、MBAの試験に合格する程度の能力を既に備えているとする。つまり使い方次第では、これまでエキスパートシステムやナレッジベースと呼ばれていたものを、ChatGPTベースで構築する事が現実的な射程に入ってきたわけだ。加えて言えば、これに適切なフロントエンド(例えば音声認識や音声生成システム)を組み合わせれば、これまで多数のオペレータを張り付けていたコールセンターの業務の一部を代替する事も可能とみられている。
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